森脇が中継ぎで欠かせない存在に、西武のドラフト下位指名選手たち
森脇亮介選手(写真は塔南時代)
ペナントレースも残り20試合ほどとなった。優勝争い、順位争いだけでなく個人タイトル争いにも注目が集まってくる。
セ・リーグの打率ランキングを見ると佐野恵太(DeNA)がトップを走り、梶谷隆幸(DeNA)、青木宣親(ヤクルト)、村上宗隆(ヤクルト)らと争っている。その佐野は2016年ドラフト9位という下位指名だった。アマチュア時代の低評価を覆し、プロの世界でタイトルを獲得できるか注目が集まっている。
さてこんな佐野のように、ドラフト下位指名から躍進を遂げた選手は多くいる。各球団(前身球団含む)のドラフト下位指名(6位以下/育成を含む)から、想像以上の成績を残した選手を振り返ってみたい。
今シーズンの西武を見ると、投手陣はドラフト上位指名選手が目立っている。髙橋光成(前橋育英高/2014年1位)や松本航(日体大/2018年1位)に増田達至(NTT西日本/2012年1位)もそうだ。ルーキーの宮川哲(東芝/2019年1位)と浜屋将太(MHPS/2019年2位)多くの出番を勝ち取っている。
そんな中、ドラフト下位指名ながら奮闘しているのが森脇亮介(セガサミー/2018年6位)である。ルーキーイヤーとなった昨シーズンは29試合で31回を投げ、2勝1敗2ホールドながら、防御率4.94と思うような成績を残すことができなかった。
しかし、今シーズンはここまで36試合に登板し36.1回を投げ、5勝1敗、1セーブ、8ホールド、防御率1.73と大きく成績を良化させた。ホールド数が伸びていることからもわかる通り、僅差での登板も増えている。
過去を振り返ると投手では、社会人に進むことが確実視されていたという背景があるものの、工藤公康(名古屋電気高/1981年6位/現ソフトバンク監督)も下位指名からの躍進だった。高卒ルーキーながら27試合に登板しており、早い段階から一軍戦力となっていた。
近鉄に移籍してから4連連続を含む5度の2ケタ勝利をマークした柳田豊(延岡商/1969年8位)もいる。時代が違うとはいえ、柳田も高卒ながら1年目から20試合に登板し3勝をマークした。
西武と広島で中継ぎとして210試合に登板した青木勇人(同志社大準硬式/1999年6位)、近年では岡本篤志(明治大/2003年6巡目)もそうだ。とくに青木は準硬式野球からのプロ入りということもあり話題を呼んだことでも知られている。
野手では大田卓司(津久見高/1968年9位)、後藤光貴(大和銀行/1999年7位)、上本達之(協和発酵/2002年6巡目)、佐藤隆彦(法政大卒/2003年7巡目)らが並ぶ。佐藤はG.G.佐藤と登録名を変更し、日本代表としても活躍した。現役では熊代聖人(王子製紙/2010年6位)と岡田雅利(大阪ガス/2013年6位)が下位指名から戦力となっているものの、主力級とまでは言えない。
投手では森脇が下位指名から主力となった。野手でもG.G.佐藤に次ぐ主力が生まれることにも期待したい。
【西武ドラフト6位以下の主な選手】
※育成指名含む
※前身球団含む
大田卓司(津久見高/1968年9位)※西鉄ライオンズ
柳田豊(延岡商/1969年8位)※西鉄ライオンズ
工藤公康(名古屋電気高/1981年6位)
青木勇人(同志社大準硬式/1999年6位)
後藤光貴(大和銀行/1999年7位)
上本達之(協和発酵/2002年6巡目)
岡本篤志(明治大/2003年6巡目)
佐藤隆彦(法政大卒/2003年7巡目)
熊代聖人(王子製紙/2010年6位)
岡田雅利(大阪ガス/2013年6位)
森脇亮介(セガサミー/2018年6位)
※数字は2020年10月14日終了時点
(記事:勝田聡)