ペナントレースも残り40試合を切った。優勝争い、順位争いだけでなく個人タイトル争いにも注目が集まってくる。

 セ・リーグの打率ランキングを見ると佐野恵太(DeNA)がトップを走り、村上 宗隆(ヤクルト)らと争っている。その佐野は2016年ドラフト9位という下位指名だった。アマチュア時代の低評価を覆し、プロの世界でタイトルを獲得できるか注目が集まっている。

 さてこんな佐野のように、ドラフト下位指名から躍進を遂げた選手は多くいる。各球団(前身球団含む)のドラフト下位指名(6位以下/育成を含む)から、想像以上の成績を残した選手を振り返ってみたい。

 現在のヤクルトにおける生え抜きの主力選手たちは、ドラフト上位指名選手が多い。野手陣では村上 宗隆九州学院高/2017年1位)、山田 哲人履正社高/2010年1位)らがチームを引っ張り、投手陣を石山泰稚(ヤマハ/2012年1位)や小川 泰弘(創価大/2012年2位)に清水 昇(國學院太/2018年1位)らが支えている。

 3位以下では(MLB移籍を含んでいるものの)青木宣親(早稲田大/2003年4巡目)と梅野 雄吾(九産大九産高/2016年3位)が目立つくらい。6位以下の下位指名組からは育成を含め、主力にまで這い上がってきた選手はほとんどいない。

 しかし、過去を振り返るとドラフト6位以下から主力へと成長した選手は多く存在した。野手では武上四郎(河合楽器/1966年8位)に大矢明彦(駒沢大/1969年7位)といった監督経験者。その他では杉浦亨(1970年10位)、水谷新太郎(三重高/1971年9位)らが6位よりも下の順位で指名されながら、チームを支えていた。

 複数の球団でコーチとして功績を残した内田順三(駒沢大/1969年8位)もヤクルトでプロ入りを果たしている。

 投手陣では会田照夫(三協精機/1970年8位)や安田猛(大昭和製紙/1971年6位)らがそうだ。ヤクルト時代は目立った成績を残していないが、移籍後に中継ぎとして活躍し通算401試合に登板した小倉恒(全足利/1992年7位)と下位指名での入団だった。

 こう見ると1960年代から70年代前半の選手が中心であることがわかる。近年では、昨シーズン限りで現役を引退した三輪正義(四国香川/2007年大社6巡目)が目立つくらいだろうか。

 もちろんドラフト初期の1960年代・70年代と現代では指名人数の違いがある。それでもドラフト下位指名から主力へと成長する選手がひとりでも多く誕生するにこしたことはない。現在所属する藤井亮太(シティライト岡山/2013年6位)や宮本 丈(奈良学園大/2017年6位)、松本 直樹(西濃運輸/2017年7位)らの奮起に期待したい。

【ヤクルトドラフト6位以下の主な選手】
※前身球団含む
※育成指名含む

武上四郎(河合楽器/1966年8位)
大矢明彦(駒沢大/1969年7位)
内田順三(駒沢大/1969年8位)
会田照夫(三協精機/1970年8位)
杉浦亨(愛知高/1970年10位)
安田猛(大昭和製紙/1971年6位)
水谷新太郎(三重高/1971年9位)
小倉恒(全足利/1992年7位)
三輪正義(四国香川/2007年大社6巡目)


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