News

新井貴浩が出世頭!広島のドラフト下位指名から躍進したのは?

2020.09.30

新井貴浩が出世頭!広島のドラフト下位指名から躍進したのは? | 高校野球ドットコム
2018年シーズン限りでユニホームを脱いだ新井貴浩氏(※写真は2018年)

 ペナントレースも残り40試合を切った。優勝争い、順位争いだけでなく個人タイトル争いにも注目が集まってくる。

 セ・リーグの打率ランキングを見ると佐野恵太(DeNA)がトップを走り、村上宗隆(ヤクルト)らと争っている。その佐野は2016年ドラフト9位という下位指名だった。アマチュア時代の低評価を覆し、プロのセ界でタイトルを獲得できるか注目が集まっている。

 さてこんな佐野のように、ドラフト下位指名から躍進を遂げた選手は多くいる。各球団(前身球団含む)のドラフト下位指名(6位以下/育成を含む)から、想像以上の成績を残した選手を振り返ってみたい。

 佐々岡真司新監督体制となった広島は、今シーズン苦戦している。とくにセットアッパー、抑えとして期待されていたD.Jジョンソン(現楽天)とスコットの両外国人選手がそろって結果を残せず、勝ちパターンが破綻してしまった。

 復活を期していた2016年からの3連覇を支えた中崎翔太日南学園高)も調子が上がらず、今年は6試合に登板したのみ。7月10日に登録を抹消され、二軍で登板していたものの、9月中旬に右後上腕回旋動脈瘤(りゅう)切除術の手術を受け、事実上今シーズン絶望となっている。

 そんな中崎は2010年ドラフト6位指名とアマチュア時代の評価は高くなかった。しかし、2年目に一軍デビューを果たすと徐々に登板数を増やし、2015年からは抑えに定着。途中離脱したこともあったが、ここまで115セーブを挙げている。広島の投手陣ではドラフト下位指名から、もっとも躍進したといっても過言ではないだろう。

 一方の野手陣では新井貴浩(駒沢大)がいる。1998年6位指名で入団した新井は広島、阪神そして広島と渡り歩き通算2203安打を記録したレジェンドである。日本代表でも4番を務めた球界を代表する存在でもある。新井はドラフト6位という評価ながら2年目には92試合の出場で16本塁打を放つと、3年目には124試合に出場し18本塁打と早くから結果を残していた。早い段階でチャンスをものにしたことで、ドラフト下位指名ながら遅咲きの部類には入らない。

 その他には代打で活躍した浅井樹富山商/1989年6位)や天谷宗一郎福井商/2001年9巡目)も下位指名組だ。

 また、下位指名ではないが4位指名で多くの名選手が誕生している。

 水谷実雄(宮﨑商/1965年)、達川光男(東洋大/1977年)、前田智徳熊本工/1989年)、金本知憲(東北福祉大/1991年)、福地和広(杵島商/1993年/後に登録名を寿樹に変更)、高橋建(トヨタ自動車/1994年)、石原慶幸(東北福祉大/2001年)、松山竜平(九州国際大/2007年大社)らが4位からチームの主力へと成長した。

 現在は、鈴木誠也(二松学舎大付/2012年2位)や森下暢仁(明治大/2019年1位)、大瀬良大地(2013年1位)といった上位指名組がチームの中心となっているが、下位指名の選手たちからも主力が生まれることに期待したい。

【ドラフト6位以下の主な選手】
※前身球団含む
※育成指名含む

浅井樹富山商/1989年6位)
新井貴浩(駒沢大/1998年6位)
広池浩司(全日空/1998年8位)
天谷宗一郎福井商/2001年9巡目)
梅津智弘(國學院太/2004年ドラフト6巡目)
中崎翔太日南学園高/2010年6位)

(記事=勝田聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.24

【佐賀】敬徳と有田工がNHK杯出場を決める<春季地区大会>

2024.04.24

【福島】田村、日大東北、只見、福島が初戦を突破<春季県大会支部予選>

2024.04.24

東京国際大の新入生は、リーグ戦デビューの二松学舎大附の右腕、甲子園4強・神村学園捕手、仙台育英スラッガーら俊英ぞろい!

2024.04.24

【春季四国大会逸材紹介・香川編】高松商に「シン・浅野翔吾」が!尽誠学園は技巧派2年生右腕がチームの命運握る

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!