ソフトバンクは千賀がエース格も先発ローテーションは大卒投手が中心。
福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大(蒲郡出身)
9月上旬までに今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。
そのなかで山下舜平大(福岡大大濠)や内星龍(履正社)に豆田泰志(浦和実)ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。
さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。
日本一4連覇を目指すソフトバンクは4投手が12先発で並んでいる。東浜巨(亜細亜大)、石川柊太(創価大)、千賀滉大(蒲郡高)、和田毅(早稲田大)の4人である。
開幕投手を務めた東浜はここまで4勝1敗と貯金は3つ。防御率2.66も決して悪い数字ではないものの、QS率は33.3%となっている。6回を投げきることができないケースが12先発中7回あったためだ。過密日程で中継ぎ陣の負担が大きい今シーズンは、もう少し長いイニングを投げることが重要になってくる。
石川は開幕から6連勝と絶好のスタートを切ったものの、9月6日のロッテ戦からは3連敗と負けが続いている。とはいえ、ここ2試合は9回1失点、8回2失点と試合をしっかりと作った。味方打線の援護とのめぐり合わせの問題で敗戦投手となっている。
開幕ローテーションからはずれ7月から一軍に上がってきた千賀は、ここまでチームトップタイとなる6勝をマークしている。奪三振率10.85と三振を奪う能力は今年も健在。打線との兼ね合いもあり貯金が作れていないものの、先発投手としての役割は果たしてきた。
ベテランの和田もすでに12試合に先発している。投球回数こそ65.1回と千賀(79.2回)や石川(77.1回)に比べるとやや少ないものの、防御率3.03と安定した成績を残してきた。すでに勝ち星は昨シーズンの4勝を超える5勝と、年齢を感じさせていない。
4人に続くのが二保旭(九州国際大付高)である。昨シーズンから先発に転向した二保は、ここまでキャリア最高となる11試合に先発し4勝4敗とまずまずの結果を残している。
この二保も千賀と同じく育成ドラフト出身であり、支配下ドラフトで指名された生え抜き高卒の選手では笠谷俊介(大分商)の7先発が最多。笠谷はショートスターター的な起用法も多く、ここまでの最長イニングは5回。先発ローテーションを回る役割とは少し異なっている。
このように先発ローテーションを見るとエース格こそ千賀だが、東浜や石川ら大卒の選手たちが中心となっている。今後、千賀に続き先発ローテーションの軸となるような高卒生え抜きの選手は現れるだろうか。三軍制を敷き、育成に力を入れているソフトバンクの新星に注目したい。
【先発登板数上位】
1位(12)東浜巨(亜細亜大)
1位(12)石川柊太(創価大)
1位(12)千賀滉大(蒲郡高)
1位(12)和田毅(早稲田大)
5位(11)二保旭(九州国際大付高)
(記事=勝田聡)
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