当時、タレント集団だった2013年東邦では控え投手…。支配下が決まった石田健人マルクから学べること
東邦時代の石田健人マルク
中日・石田健人マルク(東邦出身)の支配下選手登録が決まった。左腕を一瞬だけ上げて、すぐに振り下ろすフォームから繰り出す150キロ前後のストレートはうちにくさがあり、変化球の切れ味も抜群。20試合に登板し、0勝1敗2S 投球回19 2/3 防御率2.29と安定した投球につながり、支配下選手登録につながった。育成枠から這い上がって支配下選手登録が決まったように、高校時代、最後の夏はエースではなかった。
2013年の東邦は今、振り返ってもタレント揃いの一面だった。1番関根大気(横浜DeNA)は夏にかけて本塁打を量産して、ドラフト指名につなげた。彼が機転となり、 長打力のある2番ファースト・小川 勇磨(愛知大)、そして3番は強肩巧打の外野手・松井聖(信濃グランセローズ)。
4番は投手としてだけではなく、野手としての才能も素晴らしいものがあった左の大型スラッガー・三倉進(日立製作所)、勝負強い打撃が魅力の高木 祥宏(ニッセイ軟式)、守備力が持ち味の原田 一輝(愛知東邦大)、8番打者ではあったが、安定した三塁守備。広角に打ち分ける打撃が魅力の宝島史貴(王子)、大型セカンド・大平 夏輝(ニッセイ軟式)など野手の能力値の高さにおいては、センバツ優勝した2019年より上回るものがあった。
石田は当時、不調に陥り控え投手という立場だった。登板した試合を見ても、速球をグイグイ投げ込んでいたが、素材型という印象は否めなかった。龍谷大に進んでもリーグ1勝のみ。
それでも石田の素質を見込んで指名した中日球団に応える成長をここまで見せている。
燻っていた才能の高い選手が一瞬の機会を掴み、そこを見出す人がいれば、こうしたチャンスが訪れる。石田はそれを証明してくれた。あとは一軍登板。そして先発ならば勝利投手、中継ぎならばホールド、抑えならばセーブを1つでも多く記録し、恩返しをするだけだ。
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