宮城だけじゃない!オリックスは3人の高卒新人投手がデビュー!
2020年のプロ野球ドラフト会議まであと一か月余り。今年のルーキーたちが指名を受けてから、早くも1年が経とうとしている。今シーズンは開幕が遅れたこともあり、シーズンもまだしばらく続くが、逆に言えばルーキーたちの成長を、ほんの少しだけ長く見ることができるということでもある。本連載では、高卒新人たちのファーム成績を追いかけ、その成長を分析する。第14回では、投手たちを見ていこう。
ドラ1・宮城大弥、ドラ2・紅林弘太郎のオリコンビが輝き放つ
宮城大弥(オリックス)
これまでに10人の高卒新人投手たちがファームでデビューを果たしたが、ここに来てその登板ペースが下がり気味だ。夏場を越えて涼しくなってきたが、同時に疲れも出てくる頃なのかもしれない。各球団の育成プランもあるのだろう。その中にあって登板ペースを上げているのが、オリックスの宮城大弥(興南)だ。
この2週間で2試合に登板し、9月8日の阪神戦では6回3安打無失点、15日の中日戦では5回7安打6失点だった。防御率は2.14から3.02となっているが、キッチリ長い回を投げており、今シーズン終盤の一軍昇格へ向けて準備は着々と進んでいる。ちなみに、44.2回は新人全体でも読売の太田龍(JR東日本)、東北楽天の瀧中瞭太(Honda鈴鹿)に次ぐ3番目の数字だ。
ここからは、登板数が少なく、これまであまり取り上げることのできなかった投手たちを見ていきたい。まず、彼らのWHIPを可視化したものが下記グラフだ。
WHIPを可視化したグラフ
今回取り上げた5人はいずれも投球回が10回未満のため、あくまで参考程度に見て頂きたいが、やはり東京ヤクルトの奥川恭伸(星稜)がずば抜けていることが分かる。7月以来ファーム公式戦での登板がないが、6.2回を投げてWHIP0.90は圧巻の数字だ。次回登板でどんな投球を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。
オリックスの前佑囲斗(津田学園)は、9回を投げてWHIP1.44と、及第点と言える数字をマーク。防御率2.00、投球回を上回る11三振を奪うなど、その実力を発揮していると言える。同じくオリックスの佐藤一磨(横浜隼人)は、6.2回でWHIP3.45と、やはり苦しんでいる。189cmの大型左腕なだけに、まずはファームでの結果を求めるよりも、身体作りを優先してスケールの大きな投手へのステップを踏んでいきたい。
読売の井上温大(前橋商)は、9.1回を投げてWHIP2.04を記録。四球数は抑えられているが、安打数が1イニング辺り1.71本と大きくなっている。与四球を抑えたまま、球威を増していけるかが今後のポイントとなるだろう。千葉ロッテのサイドハンド右腕・横山陸人(専大松戸)は、7回を投げてWHIP1.86。こちらも井上同様、四球数は抑えられているが、安打数が多い。奪三振も2と、ここまでは苦しんでいる印象だ。
こうしてみると、オリックスは宮城を筆頭に前、佐藤がデビューを果たし、野手でも紅林弘太郎(駿河総合)が出場試合、打席数でウェスタン・リーグトップを走るなど、4人の高卒新人たちが順調に経験を積んでいることが分かる。今季の一軍は厳しい状況にあるが、高卒2年目の太田椋、宜保翔らが輝きを放っており、数年後に向けた育成は着々と進んでいると言える。今後の彼らの活躍を見守っていきたい。
※成績は全て9月20日終了時点
データ協力: やきうのおじさん(@yakiunoojisan)
Twitterで野球の分析を行う。本記事のデータはすべて日本野球機構(NPB)のオープンデータを使用。
記事:林龍也
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