オリックスは山本由伸に続く生え抜き高卒の先発投手が増える?
オリックス・バファローズの山本由伸(都城出身)
今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。
そのなかで山下舜平大(福岡大大濠)や内星龍(履正社)に豆田泰志(浦和実)ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。
さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。
シーズン半ばに西村徳文監督から中嶋聡監督代行体制に変わったオリックスは、大きな変わり身を見せることなく最下位に沈んでいる。
その先発ローテーションを見ると、エース格の山本由伸(都城高)と左腕の田嶋大樹(JR東日本)がともに13先発でトップ。山本は防御率2.84でランキングのトップを走っており、その役割を果たしていると言っていいだろう。
田嶋も、防御率4.01と破綻しているわけではない。それでも山本が5勝3敗、田嶋は2勝4敗と大きな貯金を作ることができず苦しんでいる。
2人に続くのがアルバースの11回、そして山崎福也(明治大)の10回となる。アルバース(3勝6敗)と山崎福也(2勝4敗)も負け越しを喫しており、先発ローテーション投手たちは軒並み苦しんでいる印象だ。
その後の5位には少し離れて6先発の榊原翼(浦和学院高)と鈴木優(雪谷高)が続いている。
榊原と鈴木は先発ローテーションを守っているわけではないものの、生え抜き高卒の投手たちが先発登板数上位の6人中3人を占めていることがわかる。ちなみに開幕投手を務めた山岡泰輔(東京ガス)は途中離脱があったため、ここまで5先発にとどまっている。
山本、榊原は1998年生まれの22歳。鈴木も1997年生まれの23歳とまだ若く、今後もローテーションを支えていく存在となっていくはずだ。
二軍を見ると、投球回数トップはケガからの復活を目指す本田仁海(星槎国際湘南高)、3位に昨年のドラフト1位である宮城大弥(興南高)と若き生え抜き高卒投手たちが控えている。
オリックスは2021年から三軍制を敷くとの報道もあった。コロナ禍により、現時点ではどのように運用していくかは定かではない。しかし、昨年のドラフト会議でも12球団最多となる8人を育成ドラフトで指名した。そのうち投手は4人おり、内訳は高卒が3人、BCリーグ出身が1人と高卒投手の指名が中心だった。
今後は社会人出身の即戦力候補よりも、育成ドラフトを含めて高卒の選手が増えていきそうだ。
【先発登板数上位】
1位(13)山本由伸(都城高)
1位(13)田嶋大樹(JR東日本)
3位(11)アルバース
4位(10)山崎福也(明治大)
5位(6)榊原翼(浦和学院高)
5位(6)鈴木優(雪谷高)
記事=勝田聡