巨人は戸郷ら12球団最多となる5人の高卒生え抜きが先発!
戸郷翔征(聖ウルスラ学園出身)
今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。
そのなかで山下舜平大(福岡大大濠)や内星龍(履正社)に豆田泰志(浦和実)ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。
さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。
セ・リーグ首位を走る巨人の先発ローテーションは、絶対的エースの菅野智之(東海大)を中心に回っている。菅野はここまで12試合に登板し、驚異の勝率10割。開幕から10連勝中と勢いは留まることをしらない。
その菅野に続くのが戸郷翔征(聖ウルスラ学園高)とメルセデスだ。高卒2年目の若き右腕である戸郷は、11試合に登板しすでに7勝(3敗)を挙げ新人王争いにも名乗りを挙げている。現在はカード頭となる金曜日の先発を任されていることからも、原辰徳監督の期待がよくわかるだろう。
メルセデスもここまで11試合に登板。3勝4敗と負け越してはるものの、防御率3.25と打ち込まれているわけではない。アクシデントによる涙の降板がありながらも、ローテーションを支えてきた。
そして10先発の田口麗斗(広島新庄高)、7先発のサンチェスと続く。こう見ると先発登板数上位5人は大卒が1人、高卒2人、外国人選手2人とバランス良く構成されていることがわかる。
また外国人選手のうちメルセデスはもともと育成契約だった。巨人といえばFA補強というイメージがあるかもしれないが、先発ローテーションに関していえば、そんなことは一切ないのである。
さらにその他にも今村信貴(太成学院大高)、直江大輔(松商学園高)、宮國椋丞(糸満高)と3人の高卒選手が先発のマウンドに登っている。戸郷、田口に加え5人の生え抜き高卒選手が先発していることになるが、これは12球団最多でもある。
FAや外国人選手の補強だけでなく、高卒選手の育成にも力を注ぐようになり、その結果が現れつつあるということだろう。
巨人の独走体制となりつつあるセ・リーグだが、原監督はどのような選手起用を行っていくのだろうか。主力のコンディションを管理するために若手選手を抜擢しながら、来シーズン以降への布石を打ってくることも十分に考えられそうだ。もしかしたら、そこで新たな才能が発掘されるかもしれない。
【先発登板数上位】
1位(12)菅野智之(東海大)
2位(11)戸郷翔征(聖ウルスラ学園高)
2位(11)メルセデス
4位(10)田口麗斗(広島新庄高)
5位(7)サンチェス
※数字は2020年9月13日終了時点
(記事:勝田聡)