DeNAは高卒生え抜きの先発投手起用がリーグ2位の4人

井納翔一

　今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。

　そのなかで山下 舜平大（福岡大大濠）や内 星龍（履正社）に豆田 泰志（浦和実）ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。

　さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。

　DeNAは近年のドラフトを見ても分かる通り、上位で大卒や社会人出身の投手を多く指名し、ルーキーイヤーから先発ローテーションに組み込んでいる。

　ドラフト1位もしくは2位で高卒の投手を獲得したのは、2011年1位の北方 悠誠（唐津商／現BCリーグ栃木）まで遡る。以降8年間に渡って高卒の投手を上位で獲得していない。これは12球団でもっとも間隔が長くなっている事例だ。

　今シーズンの先発数上位5人を見ても濱口 遥大（神奈川大）、大貫 晋一（新日鉄住金鹿島）、井納 翔一（NTT東日本）、今永 昇太（駒沢大）と上位4人は大卒、もしくは社会人出身の投手たちばかり。唯一の高卒である平良 拳太郎（北山高）は、巨人から人的補償で移籍してきた投手であり生え抜きではない。

　とはいえ、生え抜きの高卒投手による先発起用がないわけではない。今シーズン生え抜きの高卒投手では、阪口 皓亮（北海）、中川 虎大（箕島）、京山 将弥（近江）、櫻井 周斗（日大三）と4人が先発で起用されている。これはセ・リーグ6球団の中で巨人の5人に次ぐ多さでもある。

　DeNAは大卒や社会人の即戦力たちが、先発ローテーションの中核を担っているのは間違いない。しかし、高卒生え抜きの先発投手が不在なわけでないのである。

　二軍を見ても投球回数上位3人は、宮城 滝太（滋賀学園／育成）、浅田将汰（有明高）、阪口といずれも高卒の投手たちだ。その3人とも防御率は3点台を切っており、二軍ではあるものの結果を残している。

　今後、彼らの育成が進めば、一軍の舞台でも高卒生え抜きの投手たちが、先発ローテーションを担うこともありそうだ。現役時代は自身も高卒の生え抜きとしてチームを背負ってきた三浦大輔二軍監督の手腕に期待がかかる。

【先発登板数上位】

1位（11）濱口遥大（神奈川大）
2位（10）大貫晋一（新日鉄住金鹿島）
2位（10）井納翔一（NTT東日本）
3位（9）今永昇太（駒沢大）
3位（9）平良拳太郎（北山高）※巨人から移籍

（記事：勝田聡）

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