ブレイクの予感漂うオリックス5年目・吉田凌(東海大相模出身) 高校時代から進化した投球フォーム
プルペンで投球練習を行う吉田凌(オリックス)
西村徳文氏の辞任により、中嶋聡2監督が代行を務めているオリックス・バファローズ。チームは現在最下位と苦しんでいるが、その中でプロ5年目・吉田凌(東海大相模出身)が着々と登板機会を重ねている。
9月3日のソフトバンク戦では9回にマウンドへ上がり、1回を被安打1、奪三振1、無失点で役目を果たすピッチング。これで18試合登板したことになるが、これまで1軍に登板した2015年、2019年の成績と並べて比較すると以下の通りだ。
(2015年)
2.2回、被安打5、奪三振0、奪三振率0.00、防御率20.25
(2019年)
4.1回、被安打7、奪三振2、奪三振率4.15、防御率8.31
(2020年)
15.2回、被安打7、奪三振15、奪三振率8.62、防御率1.72
既にキャリアハイの登板回数となっているが、高い奪三振能力を発揮して安定した成績を残している。1軍定着に向けてポジションを確保しつつある。
吉田は東海大相模時代、2015年の夏の甲子園で小笠原慎之介(中日)とWエースとして優勝を経験。当時の投球フォームを見ると、鋭く落ちるスライダーを最大限生かすべく、少し踏み出す足が突っ張っても角度を付けたボールで空振りの山を築いていた。
しかし現在は体重移動をする際、股関節を引き込んでタメを作っていることで少し体をくの字のような形にしている。そのためボールの角度は少し無くなったが、ドラフト時より体重が8キロ増えてたくましくなった下半身の力が伝わったストレートが投げ込めるようになった。
2月のキャンプの段階でも吉田はストレートの重要性を語っていた。あれから7か月が過ぎ、新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れるなど様々なことがあったが、吉田が課題と向き合ってきた成果が出ているのではないだろうか。
シーズンは後半戦に入ったが、これからも好投を続け来シーズンに繋がる結果を吉田が残すことを期待したい。
(記事=田中 裕毅)
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