怪我を乗り越え完全覚醒へ。剛速球で打者を圧倒した剛腕・安樂 智大の最後の夏
安樂 智大
2020年、中継ぎとして新たなスタートを切った選手がいる。東北楽天ゴールデンイーグルスの安樂智大。直近3年間はけが続きで苦しい日々が続いていたが今年に入って活躍を見せる安樂の高校最後の夏を振り返りたい。
▼安樂智大(済美 2014年)
愛媛大会
1回戦 8対0 愛媛三島
2回戦 10対0 新居浜東
3回戦 1対4 東温
安樂は1年の時から全国的に注目されていた。圧巻だったのは秋の四国大会準決勝。自己最速の152キロを計測するなど誰もが怪物1年生に目を奪われた。その後に出場した2年春の甲子園では準優勝、2年夏には甲子園最速となる155キロをたたき出すなど全国でも怪物ぶりを発揮。
2年生ながら日本代表に選ばれ最優秀防御率と最高勝率を記録。しかし、2年の秋に右ひじを負傷。3か月間投げられない日々が続き3年春の甲子園も逃した中で迎えた最後の夏。1回戦で7奪三振を奪う完封勝利を挙げると3回戦では148キロを計測するなど球速も少しずつ復帰。11奪三振を奪うも4失点で3回戦敗退。最後の夏に甲子園の土を踏むことはなかった。
その年のドラフト会議で安樂は2球団からの競合指名となりドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。2軍で牙を磨いた後、1年目から1軍で1試合登板すると6回を投げて2安打無失点でプロ初勝利をつかんだ。
しかし2017年から2019年までは怪我に苦しんだ。そして今年は9月2日までで19試合に登板して7失点。防御率2.59と好成績を残している。けがを乗り越えて迎える2020年はまだまだ成績を伸ばしてくれそうだ。甲子園を沸かせた剛腕右腕の活躍を期待したい。
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