有望株が多い阪神の生え抜き高卒の先発投手たち。西、才木、及川などローテーション入りへ期待
創志学園時代の西純矢(阪神タイガース)
今秋のドラフトへ向けた高校生合同練習会が東日本、西日本それぞれの会場で行われた。甲子園が中止となったことでアピールの場を失ってしまった選手たちが、プロ野球団のスカウト陣を前に思う存分プレーしたようだ。
そのなかで山下舜平大(福岡大大濠)や内星龍(履正社)に豆田泰志(浦和実)ら投手陣に注目が集まっていた。各球団ともにチームの屋台骨を支えてくれるような先発投手を高卒で獲得することができたら、数年はやりくりが楽になる。
さて、現時点では各球団、生え抜き高卒の先発ローテーション投手は、どれだけ存在しているのだろうか。各球団の今シーズンにおける登板数上位5名を振り返ってみたい。
阪神の先発登板数上位は、2018年オフにFAでオリックスから移籍してきた西勇輝(菰野)、同じく2018年オフに中日を退団したガルシア、そして青柳晃洋(帝京大)の3人が12回で並んでいる。
なかでも西は5勝3敗と貯金は2つながら、12先発の内、11回QSを達成。防御率2.57とまさにエースとしての役割を果たしている。青柳もチームトップの6勝(4敗)と先発ローテーションをしっかりと回している。ガルシアは2勝5敗、防御率3.93とあまり数字的にはよくないものの、8月11日のDeNA戦からは4試合連続でQSを達成。試合はまずまず作っている。
この3人に続くのが、9先発の秋山拓巳(西条)である。2017年に12勝を挙げブレイクを果たしたもののそれ以降は低迷。昨シーズンも10試合の登板で4勝3敗、防御率4.26と一軍の戦力になりきることができなかった。
しかし、今シーズンは一度登録抹消があったが先発ローテーションをほぼ守り、4勝1敗、防御率3.29と結果を残している。BB/9(1試合いくつの四球を出すかを表す指標)も1.48と高水準。2017年の0.90には及ばないものの昨シーズンの2.13から改善されている。
その他の高卒生え抜きの先発ローテーション投手では、復活をかけて戦っている藤浪晋太郎(大阪桐蔭)が7先発(チーム6位)で続いている。ここ数年、制球難で苦しんでいるものの、持っている力は誰しもが認めるところ。先発完投できるスタミナ、150キロを超えるストレートなど魅力は十分ある。年間を通じて先発ローテーションに入ってほしい存在だろう。
さらに二軍ではドラフト1位ルーキーの西純矢(創志学園)や同3位の及川雅貴(横浜)、さらには才木浩人(須磨翔風)、浜地真澄(福岡大大濠)、川原陸(創成館)といった若い投手たちも控えている。
若虎たちが順調に成長すれば、近い将来に一軍の先発ローテーションの多くを生え抜き高卒選手が占めることになるかもしれない。
【先発登板数上位】
1位(12)西勇輝(菰野)※オリックスから移籍
1位(12)ガルシア※中日から移籍
1位(12)青柳晃洋(帝京大)
4位(9)秋山拓巳(西条高)
5位(8)岩貞祐太(横浜商大)
※2020年9月9日終了時点
(記事:勝田聡)