DeNAは高卒4年目までの若手が苦戦中、今季一軍起用は中川と櫻井のみ
高校時代の櫻井周斗(日大三出身)と中川虎大(簑島出身)
今シーズンのペナントレースは一軍人数、そしてベンチ入り人数が増枠されている。例年よりも連戦が多いこともあり、ベテラン勢を中心とした主力選手たちが積極的休養という形で、スタメンから外れるケースも多い。そんな状況も相まって、各球団が若手選手たちを一軍で起用する機会は増えている。
そこで各球団の若手、とくに高卒4年目(2016年ドラフト以降)までの選手たちがどのような活躍を見せているか振り返ってみたい。
昨年こそドラフト1位で高校生野手の森敬斗(桐蔭学園)を指名したが、2014年から2018年までは大卒の投手を5年連続で指名している。また、ドラフト2位でも高校生の指名はない。必然的に高卒選手は中位以下での指名が多くなっている。
今シーズンの一軍起用を見ると、櫻井周斗(日大三/2017年5位)が3試合、中川虎大(箕島/2017年育成1位)が2試合に登板したのみ。
昨シーズンは14試合に登板し、プロ初ホールドマークした櫻井は3試合の登板で7.1回を投げ6失点。結果を残すことができず7月16日を最後に登録を抹消されている。昨シーズン、イースタンリーグで最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得した中川は2試合に先発したが、4回を投げ4失点と櫻井同様にアピールすることができなかった。
その他の投手では阪口皓亮(北海/2017年3位)が、一軍での登板はないものの、二軍で5試合に登板し防御率2.45と奮闘している。8月に入ってからは3試合で14回を投げ無失点、15奪三振とアピールした。8月22日の中日戦で今シーズン初登板予定となっている。
一方の野手陣では長距離砲として期待の高い細川成也(明秀日立/2016年5位)が苦しんでいる。1年目にデビュー戦から2試合連続で本塁打を放つ離れ業をやってのけたが、それ以降は一軍で実績を残すことができていない。毎年、春季キャンプでは外野のレギュラー候補として名前が挙がるが、ものにできていないのが現状だ。
昨シーズンもファームでは打率.293、15本塁打と結果を残し、今シーズンも打率.288、5本塁打とまずまずの成績。今年で高卒4年目を迎えるだけに、そろそろ一軍での出番を増やしたいところだ。
昨年のドラフトで指名されたルーキーのなかでは田部隼人(開星/2019年5位)が打率.259(58打数15安打)とまずまずの数字を残している。ここまで長打はわずか1本だが、三振の数は12個(58打数)と森の23三振(77打数)に比べると少ない。安打製造機としての成長に期待がかかっている。
ここ数年のドラフト指名からもわかるとおり、高卒4年目までの若手選手のいち郡起用は多くない。しかし、昨年は高卒選手の指名が増えた。これから先、どのような起用法、さらには育成を行っていくのか楽しみだ。
【高卒選手のドラフト指名】
※2016年〜2019年ドラフト
※育成指名は支配下登録済のみ
<2016年>
3位:松尾大河(秀岳館)※現在は琉球ブルーオーシャンズ
4位:京山将弥(近江)
5位:細川成也(明秀日立)
<2017年>
3位:阪口皓亮(北海)
5位:櫻井周斗(日大三)
育1位:中川虎大(箕島)※支配下登録済
<2018年>
4位:勝又温史(日大鶴ヶ丘)
5位:益子京右(青藍泰斗)
<2019年>
1位:森敬斗(桐蔭学園)
4位:東妻純平(智弁和歌山)
5位:田部隼人(開星)
7位:浅田将汰(有明)
※数字は2020年8月20日終了時点
(記事:勝田聡)