高校通算51本塁打の主砲・杉崎成(東海大菅生)が東西決戦にかける思い
杉崎成(東海大菅生)
1年生から4番に座り続け、高校通算51本塁打をマークしている世代屈指のスラッガー・杉崎成(東海大菅生)。7日の佼成学園との決勝戦でも4番・サードで出場。自慢のバッティングで優勝に貢献するか期待された。
しかし、「外角に変化球中心の攻めでボールが多く勝負してもらえなかった」と佼成学園バッテリーの組み立ての前になかなかスイングをさせてもらえない。杉崎自身は「四球でも出塁してチームのために貢献はできた」と振り返るが、悔しい場面もあった。
1点ビハインドで迎えた8回は、一死一塁の長打での同点のチャンスで凡退。打った瞬間に悔しさを見せる仕草もあった。さらに同点に追いついた延長11回には無死一塁の長打でサヨナラの場面で、送りバント。チームプレーに徹してサヨナラ劇をアシストしたが、「正直に言うと悔しい部分もあります」と試合後には振り返っている。
サヨナラ打も打った堀町沖永も「杉崎さんがバントをするのは見たことがなかったので決めないといけないと思った」とコメントをしているが、チーム内でも珍しいことだった。「自分の調子が悪く、堀町は調子がいいので、バントという選択になったと思います」と杉崎は分析している。
杉崎自身、今大会は調子がよくないと感じている。今の状態について「ボールは見えているのですが、捉えきれていないんです」と語る。あと少しのところでアジャストできていないのだ。しかし「捉えればホームランにできる自信はあります」と杉崎の中で確かなものはある。だからこそ歯がゆいものがある。
それでもチームに勝利に貢献すること。これこそが、昨秋の日大三に敗れてから杉崎が大事にしてきたことだった。
「日大三の児玉に外中心に配球で抑えられてからは逆方向にも打てるように練習をしてきました。そうすることで捉えきれなくても、チャンスでランナーを返す場面に応じたバッティングを心がけてきました」
三塁にランナーがいれば犠牲フライを打つなど、チームバッティングを心がけてきた杉崎。それが西東京大会では発揮しきれなかった。「ここまで発揮ができていないですし、悔しい結果も続いているので、調整して東西決戦に挑みたいです」と意気込みを語った。
一発だけではない、引き出しの多い杉崎の集大成の打撃が帝京の強力投手陣を前に発揮できるか。東西決戦での杉崎の一振りに目が離せない。