大山悠輔が絶好調も…他は苦しむ1994年生まれ世代の阪神野手陣
大山 悠輔(阪神)
阪神の大山 悠輔が好調だ。今シーズンはマルテとの争いに敗れ、開幕はベンチスタート。2試合目はスタメン出場だったものの、ポジションは慣れ親しんだ三塁ではなく左翼だった。
以降、途中出場が続いていたものの、マルテが離脱したこともあり、7月5日の広島戦では「4番・三塁」でスタメン出場を果たす。その試合で2安打を放つと、今までの鬱憤を晴らすかのように調子を上げていく。
7月27日終了時点で打率.321(81打数26安打)、8本塁打、18打点と結果を残している。規定打席には届いていないものの、本塁打と打点はともにチームトップと、まさに4番の働きを見せている。
そんな大山は1994年生まれ世代(1994年4月2日〜1995年4月1日生まれ)であり、チーム内にも同学年の野手は多くいるが、今シーズンは軒並み苦しんでいる。
野手では近本光司がここまで打率1割台となっており、新人王を争った昨シーズンの勢いが見られない。ここ数試合は定位置でもあった中堅に大ベテランの福留孝介が入り、近本がスタメン落ちするほどだ。
近本と同じく2年目の木浪聖也は守備面での向上が見られているものの、打率は2割台前半。6番、7番といった下位打線を任されているとはいえ、得点圏打率.069で打点が3というのは少しさみしい数字だ。
糸原 健斗の離脱で代行主将に任命された北條 史也も7月24日の中日戦では2安打を放ったものの、打率は2割に届いていない。今後、スタメン出場も増えていくことを考えるとこの数字では物足りない。
その他では長坂拳弥と片山雄哉も同学年。しかし捕手というポジションもあり、ここまでは一軍での出番は訪れていない。
ここまでを見ると、大山という主砲の脇を固めなくてはならない近本、木浪、北條、そして長坂、片山の同世代組が結果を残せていないのは気がかりだ。
彼らの多くは今シーズン中に26歳を迎える。年齢的にもチームの中心的な存在となり、今後を背負っていかねばいけない立場でもある。大山の活躍に刺激され、奮起することに期待したい。
<1994年生まれ世代の阪神野手>
長坂拳弥(健大高崎高→東北福祉大)
木浪聖也(青森山田高→亜細亜大→ホンダ)
片山雄哉(刈谷工→至学館大短大→福井ミラクルエレファンツ)
北條史也(光星学院高)
近本光司(社高→関西学院大→大阪ガス)
大山悠輔(つくば秀英高→白鴎大)
※数字は2020年7月27日終了時点
(記事=勝田 聡)
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