平良拳太郎(DeNA)は同郷の先輩たちの背中を追いかけて覚醒なるか
北山高校時代の平良拳太郎
沖縄出身のニュースターが誕生しつつある。
読売ジャイアンツから横浜DeNAと渡り歩いてプロ7年目となった平良拳太郎。12日の阪神戦では6回1失点で敗戦投手となったものの、今シーズン4度先発登板で2勝1敗、防御率1.08という安定した数字を記録。左腕が多く集まる横浜DeNAの中で一際存在感を示すサイドハンドだ。
高校時代は北山で3年間プレー。3年春の県大会決勝戦では9回15奪三振の好投でチームの初優勝に貢献。九州大会では創成館戦で先発すると9回16奪三振の圧巻の投球。夏の大会は2回戦で美里に敗れ甲子園の舞台は経験していないが、ドラフト5位でジャイアンツへ入団した。
2016年に1軍デビューを果たしたが、2017年に横浜DeNAへ移籍して初勝利を掴んだ。すると2018年から先発として1軍の舞台を経験することが増えてきた平良。今シーズンも17回連続無失点を記録するなど、安定したピッチングを見せる。北山時代と変わらない身体のバネとキレを活かした投球フォームで、低めにボールを丁寧に集めるのが印象的だ。
その一方で、高校時代に比べて足を上げた際に捻る動作がほとんどなく、少し二段モーション近いフォームに変わっている。身体を捻って勢いを付けるのではなく、二段モーションに変えたことで身体への負担も減らしながら、ボールに勢いを与えられることが考えられる。
また140キロ台のストレートや、ストレートに近い軌道で変化するスライダー。さらにはシンカーといったボールを、左右関係なく低めに集められることも平良のピッチングの強みだ。ストレートで振りにいっても空振り、打ち損じでなかなかヒットにできないのだ。
同じ沖縄出身であれば山川穂高、東浜巨など同郷のスターが次々と誕生している。平良も先輩の背中を追いかけてブレークするか注目だ。
(記事=田中 裕毅)
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