交流試合に出場する明豊、大分商の2校。両校の過去10回の対戦成績を振り返る
若杉晟汰と川瀬堅斗
8月に開催される2020年甲子園高校野球交流試合。ここに大分県から明豊と大分商の2校が招待をされている。両校は昨秋の九州地区の決勝戦で対戦をするなど、大分県内だけではなく九州地区でも有名な実力校である。
特に明豊は今宮健太を擁して2009年の夏の甲子園で投手としても活躍。ベスト8まで勝ち上がり一気に名を広げるなど、春夏合わせて10回の甲子園出場。そして大分商は源田壮亮らをOBに持ち、春夏合わせて21回の甲子園出場という県内でも屈指の成績を誇っている。そんな両校の過去10回の直接対決を振り返っていきたい。
<過去10回の対戦成績>
2015年 第97回大分大会 決勝
明豊1対0大分商
結果だけを振り返ると、明豊が9勝。大分商が1勝という成績。点差を見ても、明豊が大分商との直接対決では力を発揮している形になっている。
もっとも古い2015年の夏の大分大会ではロースコアな試合展開。明豊は3回に奪った1点を死守して勝利することとなり、大分商は明豊を苦しめるも甲子園とはならなかった。そこに大きく関わったのが広島東洋カープでルーキーイヤーを迎えた森下暢仁。
9回を投げて被安打6奪三振4の成績だったが、1点に泣き甲子園は届かなかった。しかしその夏のU18には代表に選ばれ、明治大学進学後は確実に力を付けて2019年のドラフトで1位指名を受けてプロの世界へ飛び込んでいった。
1年後となる2016年の夏の大会でも両校は対戦するが、その時は明豊が中盤に試合の主導権を握り、大分商を下すと、代が変わった2016年の秋季大会から翌年の2017年の夏の大会まで3季連続で対戦したが、明豊が全て勝利。大分商にはオリックスにいる廣澤伸哉らを擁するチームだったが、明豊から白星を上げることが出来なかった。
2018年の対戦の時にはスラッガー・浜田太貴を明豊は擁し、大分商を打力で圧倒。大分商は森下暢仁の弟になる颯太が1番ショートで打線を牽引するも、明豊に軍配が上がる結果。そして2018年の秋にも対戦をしたが、明豊が大分商を下し直接対決は8連勝となった。
しかし2019年の夏、田中誓哉と川瀬堅斗のリレーで選抜4強の明豊打線を3点に封じ込め、大分商はついに白星を上げることが出来た
昨秋は県大会と九州地区大会で両校は対戦して、明豊が打ち合いを制した。今年は大分商にはエース・川瀬、明豊は主将でエースの若杉晟汰とどちらも好投手を擁する。夏の大会で対戦することがあれば、どのような試合を見せるのか。これからの両校の対戦に注目したい。
(記事=田中裕毅)
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