巨人・北村拓己(星稜出身)が今季初スタメンで決勝打 星稜時代から見せてた能力の片鱗
星稜時代の北村拓己(現巨人)
阪神との開幕カードで3連勝を記録し、広島東洋カープとの初戦も勝利。セ・リーグ連覇に向けて波に乗るジャイアンツ。積極的な若手起用も見逃せないが、その中で23日の広島東洋カープ戦で存在感を示したのが大卒3年目の北村拓己(星稜出身)だ。
22日の阪神戦で1軍初ヒット初タイムリーを記録すると、23日には1番セカンドに抜擢。1対1の5回の第3打席に勝ち越しとなる二塁打を放つなど、3打数1安打1打点。初のヒーローインタビューも受けるなど、北村にとって忘れられない1日となったに違いない。
星稜時代は1年生春からレギュラーとして出場。高い能力を存分に発揮し、主将として迎えた3年生の夏に甲子園に出場し、全国の舞台を経験する。そこで北村は4打数2安打1本塁打と活躍したが、チームは鳴門の坂東湧梧の前に抑え込まれ初戦で敗れた。亜細亜大進学後には3年生の時から出場機会を掴むと、リーグ戦ではベストナイン2度受賞。さらに大学日本代表にも選出。たしかな実績を積んでプロの世界に飛び込んできた。
これまでのプロ2年間は2軍が主戦場となっていたが、2019年シーズンにはファームで最高出塁率のタイトルを掴むなど、着実にプロのレベルに適応してレベルアップした。
23日の勝ち越し打を放ったときは、先発のジョンソンのインコース低めを捉えたが、下半身の使い方が良い。膝を曲げてグッと低く構えた状態でボールを待つ北村。21日の初タイムリーは外角の緩いボールを粘って上手く拾った。そして23日の二塁打は腰を上手く回転させてボールを捉えていた。こうした使い方が出来るのが、北村の好調を支えているのではないかと考える。
2番・坂本勇人(光星学院出身)、3番・丸佳浩(千葉経済大付出身)、4番・岡本和真(智辯学園出身)はほぼ固定されているだけに、1番打者の役割は大きい。ジャイアンツはここまでは1番を固定できずに来ており、北村にはスタメン奪取のチャンスである。持っていた潜在能力に努力も重ねてここまできた北村はチャンスを掴み、スター選手への階段を駆け上がれるのか。今後に注目だ。
(記事=田中裕毅)
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