2020四国アイランドリーグplus開幕! 香川オリーブガイナーズ・歳内 宏明(元・阪神タイガース) 前年覇者に被安打3の完封劇!
元阪神・歳内 宏明(香川)は変化球もコントロールよく11奪三振完封
新型コロナウイルス感染と、その拡大防止のため世界中のスポーツの歩みが止まった2020年。日本も2020東京五輪・パラリンピックの延期、春夏甲子園大会の中止など例外なく苦しみに見舞われたものの、6月19日(金)にはついに3ヶ月の眠りを破り日本プロ野球機構(以下、NPB)が開幕。翌20日(土)にはルートインBCリーグと共に、四国アイランドリーグplus(以下、四国IL)もNPB同様の無観客試合(各球団HPでの試合実況配信あり)で開幕の日を迎えた。
その四国ILのオープニングゲームは、過去NPBへドラフト指名選手輩出24名。昨年は3年ぶりに畝 章真投手が広島東洋カープから育成3位指名を受けた香川オリーブガイナーズ(以下、香川)が、昨年独立リーグ日本一。NPBにも過去17名のドラフト指名選手を輩出し、昨年は上間 永遠投手(埼玉西武ライオンズ7位指名)・岸 潤一郎外野手(埼玉西武ライオンズ8位指名)・平間 隼人内野手(読売ジャイアンツ育成1位指名)の3名が夢への扉を開いた徳島インディゴソックス(以下、徳島)をホームに迎えたデイライトゲーム。
今季から平成唯一の三冠王に輝く松中 信彦氏(元福岡ソフトバンクホークス)を総監督、四国IL生え抜きの近藤 智勝氏を新監督に据えた香川でこの日、最も輝いたのは、聖光学院(福島)では宝刀スプリットで2011年春夏甲子園出場・侍ジャパンU-18代表入りした歳内 宏明だった。
阪神タイガースでの9年間でNPB一軍57試合に登板・2勝4敗4ホールドをマークしている歳内は、1回表から146キロをマークした低めへのストレートとスライダー。スプリットを駆使して6回まで72球・被安打1・打者18人で仕留める準完全試合。その後も「こういう(投手戦の)展開で流れを変えたくなかった」松中総監督の付託に応え、終わってみれば128球を投げ3安打11奪三振3四死球での完封勝利。それでも「後半少しへばってピンチも作ってしまったので次に生かして修正していきたい」と目線をNPB復帰に向ける右腕にとっては、最高の形でのアピールとなった。
また、香川は「松中塾」で学んだ打撃陣も鋭いスイングを披露。最速148キロ右腕として今季ドラフト指名候補の最右翼にあがり、この日も6回を投げ7安打5奪三振・最速147キロと才能の一端を示した徳島先発・戸田 懐生に対し2回裏は主将の7番・白方 克弥の右越適時二塁打、3回裏は3番・宝来 健吾の左前適時打と、二死走者なしからのチャンスメイクで得点を奪取。
さらに8回裏には明徳義塾(高知)時代は今やオリックス・バファローズの大黒柱となった瀬戸内(広島)・山岡 泰輔からホームランを放った4番。宋 皞均(ソンホキュン)がレフトポール際へ一直線に突き刺さる今季リーグ第1号アーチ。「(松中総監督から)振り切れと言われています。その中で落ち着いて打てている」手ごたえ十分の一撃で、3対0快勝の立役者となった。
試合前のあいさつでは「このような状況の中、野球をできる環境を作っていただいた、リーグの皆さま、球団関係者、ファンの皆さま、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を綴った松中総監督にとっても嬉しい公式戦初采配初白星。「監督、コーチ、選手、チームスタッフ一丸となって優勝、そしてNPB選手を目指して、精一杯頑張ってまいります」と改めて誓う最大目標獲得へ向け、香川は「その一打でたたみかける」打線と経験豊富なエースがけん引する投手陣。そしてこの日新星として飛び出した地元・高松南高卒1年目で正妻を務める天野 龍人のリードで敵を叩く。
(記事=上溝 真司)
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