野村佑希はレギュラー獲得なるか? 日本ハムに不思議といない高卒出身の三塁手
期待が寄せられる野村佑希
待ちに待ったプロ野球の開幕まであと数日となった。各チームとも先発ローテーションやレギュラー陣もほぼほぼ固まり、各指揮官は開幕戦へ向けて、最後の戦略を練っていることだろう。
そんな中、日本ハムは三塁のレギュラーが明らかになっていない。当初は新加入のクリスチャン・ビヤヌエバが予定されていたものの、5月下旬に虫垂炎の手術を受け一時離脱。空席となったそのポジションを横尾俊建、野村佑希、平沼翔太らで争っている。
なかでも期待がかかるのが野村である。野村は2018年ドラフト2位で花咲徳栄高から日本ハムへ入団した右の長距離砲候補。高校時代は二刀流として活躍したが、プロ入り後は野手に専念する。
昨シーズンは左股関節を痛めた影響もあり順風満帆ではなかったが、二軍で75試合に出場し、打率.245(273打数67安打)、5本塁打を記録した。ロッテにドラフト1位で入団した藤原恭大(打率.227、4本塁打)の数字を凌いでいることからも力のほどがうかがえる。
2年目を迎えた今年はオープン戦での出場はなかったものの、6月に入ってからの練習試合では5試合に出場し3本塁打を記録。三塁のレギュラー獲りへ向け、猛アピールを見せている。
野村は6月26日に20歳を迎えるが、開幕の時点では19歳。開幕戦のスタメンに10代で名を連ねることができれば、日本ハムにおいては2014年の大谷翔平(現・エンゼルス)以来、6年ぶりのこととなる。
プロ野球の世界において三塁は強打の選手が務めることが多い。岡本和真(智弁学園高→巨人)、中村剛也(大阪桐蔭高→西武)、村上宗隆(九州学院高→ヤクルト)、高橋周平(東海大甲府高→中日)、松田宣浩(亜細亜大→ソフトバンク)、レアード(ロッテ)など、今シーズンの顔ぶれを見てもそれはわかるだろう。また偶然かもしれないが、岡本や中村、村上、高橋と高卒でプロ入りした選手が多い。
しかし、日本ハムの歴史を振り返ると高卒で三塁手のレギュラーになった選手は、ほぼいない。近年では近藤健介が2014年に捕手などと併用されながら、70試合に出場したくらい。
それ以前も小谷野栄一(創価大)、小笠原道大(NTT関東)、片岡篤史(同志社大)、広瀬哲朗(本田技研)、古屋英夫(亜細亜大)ら社会人や大卒の選手ばかり。不思議と高卒の確固たるレギュラー三塁手は誕生していない。
はたして野村は三塁のレギュラーを獲得できるだろうか。もしかしたら日本ハムの歴史を変える存在になるかもしれない。
(記事=勝田 聡)
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