昨秋8強の羽黒。野球が出来る喜びを感じつつ、全員の想いを1つにして独自大会へ
昨年の夏と秋でともに県大会でベスト8まで勝ち上がるなど、県内屈指の実力校として存在感を示している羽黒。さらなる上位進出を目指し、オフシーズン選手それぞれがスキルアップできるよう、選手と指導者間で週1回のミーティングで意見を交換して練習を進めてきた。
しかし3月は2日から15日まで活動自粛。16日から自主練習という形で徐々に再開していたが、4月に入ると、再び自粛期間に入った。学校も5月の第3週目までは休校となり、練習できない日々が続く形となった。
そして分散登校で学校が再開してまもなく、夏の甲子園の中止が決定した。
「3年生は21日が登校日でしたので、その時に集めて中止になったことを連絡をしました。それからは時間を見つけて3年生だけでミーティングを開きまして、『これからどうしようか』と話し合って結論を考えているところです」
山形県内では7月11日から独自の大会を開催する。ただ目標としてきた甲子園が無くなり、独自の大会をどのように捉えて、今後に活かしていくのか。チームを率いる澁谷瞬監督はその大会をどう戦うのか。選手1人1人が考えて、3年生29名全員の意思を固めている最中なのだ。
「ここまで野球にかけてきた想いをぶつけると言いますか、大会があることはありがたいです。ただ大会をどう戦うのか、その結論を選手たちに任せています。スタッフではなく選手たちの想いを大事にして戦うつもりですので、3年生1人1人が考えをはっきりさせて、意見をまとめたいと思っています」
6月に入り、分散登校で学校に来た選手たちは放課後に部活動が出来るようになった。澁谷監督はグラウンドで選手たちがプレーする姿を久々に見ることができた。3年生も全員が練習に参加。「最後までやり切る」という意思をもって、練習に打ち込んだ。「久々に野球が出来ることに喜びを感じている」と澁谷監督は3年生たちの表情を見て感じている。そんな3年生の中で注目をしたいのが庄司龍舞と本田旭の2人になる。
「庄司は2年生の間は野手メインでした。3番に置いておりましたが、冬から投手に戻ってもらいました。中学時代は投手で、入学当初も投手だったのですが、2年生の間は野手でした。力強い真っすぐを投げ込むポテンシャルはあるので、楽しみです。
そして本田は1年生の春からベンチに入って、甲子園もベンチ入りしています。去年も下級生で唯一のスタメンでマスクも被って、県の選抜にも選ばれる能力の高さを持っており、チームを引っ張る存在です」
2人は自宅から通っているが、ブランクを感じさせない動きを見せており、「考えて動いてくれていたんだな」と澁谷監督は語る。他の3年生に関しても問題なく動けているとのことだが、独自大会をどのように戦うのだろうか。
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