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計373球の熱戦!2014年選抜1回戦で延長13回の死闘を繰り広げた豊川と日本文理ナインのその後

2020.06.18

計373球の熱戦!2014年選抜1回戦で延長13回の死闘を繰り広げた豊川と日本文理ナインのその後 | 高校野球ドットコム
高校時代の飯塚 悟史(日本文理)、田中 空良(豊川)

 2014年の第86回大会。選抜大会前年秋の明治神宮大会準優勝の日本文理は投打でチームの主軸を担う飯塚 悟史を擁し優勝候補として甲子園に乗り込んだ。その初戦で愛知の豊川との試合は両者一歩も譲らない投手戦となった。

 両者無得点のまま試合は終盤に差し掛かる。試合が動いたのは8回表。日本文理1番の星兼太が中越適時二塁打で1点を先制。しかし豊川は9回裏に追いつき、試合は延長戦へ突入。試合を決めたのは豊川の5番佐藤 廉。延長13回裏、2死二塁で左中間を割るサヨナラ適時打を放ち、死闘を制した。両エースはこの試合で計373球を投じ、完投した。

【この試合の投手成績】
田中 空良 13回、189球、被安打13、12奪三振
飯塚 悟史 12回2/3、184球、被安打10、11三振

 そこから、飯塚は横浜DeNAに指名を受けプロ入りを果たし、田中は東邦ガスに進む。そして彼ら以外にも高校野球引退後も活躍する選手が多い。そこで今回は2014年春の1回戦を戦った豊川日本文理戦士たちのその後を紹介する。

【豊川】

投手 田中 空良 3年(東邦ガス)
投手 阿部 竜也 3年(中京大)
投手 浦田 年秀 3年(名古屋経済大)

捕手 氷見 泰介 3年(明治大-東邦ガス)
捕手 今井 竜司 2年(明治大)
捕手 前田 剛男 3年(名城大<準硬式>)

内野手 伊藤 竜平 3年(同志社大)
内野手 島 快莉 2年(山梨学院大-伏木海陸運送)
内野手 中村 胤哉 3年(愛知大)
内野手 高桑 平士郎 3年(関東学院大)
内野手 山田 洸太朗 2年(苫小牧駒澤大)
内野手 吉村 誠也 2年(名城大)
内野手 豊永 大輔 3年(中部大)

外野手 山田 大地 3年(皇學館大)
外野手 杉浦 健太 3年(愛知大)
外野手 武市 啓志 3年(名古屋外大-中部大)
外野手 大河内 聖登 2年(愛知学院大<準硬式>)

【日本文理】

投手 飯塚 悟史 3年 (横浜DeNA)2014年7位

捕手 鎌倉 航 3年(法政大-JR東海)

内野手 黒台 騎士 3年 (山梨学院大-全三郷倶楽部野球団)
内野手 小太刀 緒飛 3年(早稲田大-エイジェック)
内野手 池田 貴将 3年(東洋大-バイタルネット)
内野手 新井 充 3年(駒澤大)
内野手 海津 裕太 2年(法政大<準硬式>)

外野手 星 兼太 2年(東洋大)
外野手 小林 将也 3年(駿河台大)
外野手 竹石 稜 3年 (法政大<準硬式>)

 延長13回を完投した両校のエース・田中 空良飯塚 悟史はそれぞれ高卒で社会人、プロの道へ。

 田中は東邦ガスに進み、1年目から救援投手として公式戦で登板を果たす。2016年のJABA静岡大会の準決勝・王子戦で完封勝利を果たし優勝に貢献。この年の日本選手権も経験した。

 飯塚は夏の甲子園では準決勝まで5試合全て一人で投げ抜き、ベスト4入りに貢献。前年秋の明治神宮大会準優勝の実力を存分に発揮した。横浜DeNAから7位指名を受け入団し、今季でプロ6年目を迎え、セットアッパーとして飛躍を狙う。

 豊川の正捕手で主将の氷見 泰介は明治大に進学。通算19試合に出場し、大学卒業度は田中が在籍する東邦ガスに進み、高校ぶりにチームメイトとなった。

 当時2年の島 快莉は山梨学院大に進学し4年時は主将を務めた。今年から伏木海陸運送でプレー。

 9番・左翼手のして出場した山田 大地は皇學館大に進学。1年時に全日本大学野球選手権に出場し、大学でも全国の舞台を経験した。ちなみに弟は、大阪桐蔭から立教大に進んだ山田健太

 飯塚と中学時代からバッテリーを組んだ日本文理鎌倉 航は法政大に進学。3年春から正捕手を務め、大学卒業後はJR東海に進む。

 夏の県大会決勝・関根学園戦でサヨナラ本塁打を放ち、甲子園を決めた小太刀 緒飛は投手としても飯塚と共に二枚看板を張った。早稲田大に進学し、小島和哉浦和学院-早大-千葉ロッテ)らと共にプレー。大学卒業後はエイジェックに進む。

 主将の池田 貴将は東洋大に進学。上茶谷大河(横浜DeNA)や甲斐野央(ソフトバンク)などとともにプレー。公式戦出場は代打や代走がメインだった。現在は新潟市に拠点を置くバイタルネットに進んだ。

 プロ入りを飯塚以外もまだ現役で硬式野球を継続する選手が多い両校の選手たち。今後の活躍にも注目していきたい。

※記事の掲載者、掲載者の現所属、記録の事実につきましては報道各社発表の新聞記事、各野球連盟が発表する大会記録、各チームの所属調査、関係者取材により確認ができたものより掲載をしております。そのため、この情報が全ての情報ではなく、情報の一部となりますことご了承ください。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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