巨人の期待の若手が、練習試合とはいえ一軍デビューを果たした。6月1日に支配下登録を勝ち取ったばかりの沼田 翔平である。

 沼田は一軍初登板となった6月6日のヤクルト戦で先頭打者に二塁打を許し、その後2死一、三塁とピンチを招いたものの後続を断ち切り1回を無失点でマウンドを降りた。

 この日の最速は142キロと決して球が速いわけではない。変化球もスライダー、カーブ、チェンジアップといたってオーソドックス。それでも攻めの投球で結果を残した。開幕一軍入りを果たすためには今後も結果が必要ではあるものの、一歩前進したことは間違いない。

 そんな沼田は2018年育成ドラフト3位で旭川大高から巨人へと入団した。母校のOBを振り返ってみると、近鉄の主砲だった鈴木貴久の名前が輝く。鈴木は電電北海道を経由し1984年にドラフト5位でプロ入りする。プロ入り3年目の1987年から4年連続で20本塁打以上を記録したスラッガーであり、伝説となっている「10.19」にも出場していた。2000年の現役引退後は近鉄のコーチを務めていたが、在任中の2004年に急逝。若くしてこの世を去ったことでも知られている。

 投手ではヤクルトで中継ぎとして活躍した乱橋幸仁がいる。1984年ドラフト6位で高卒プロ入りを果たした乱橋は、2年目に一軍デビュー。すぐには結果が出なかったものの、5年目の1989年に21試合に登板する。その後は主に中継ぎとして活躍し通算124試合に登板した。

 その他には有沢賢持(ヤクルト/1978年3位)、田沢 由哉(西武/2005年高校生3巡)らが同校からプロ入りを果たしている。有沢は通算45試合に登板するも未勝利。田沢は一軍での登板機会を勝ち取ることは出来ていない。

 振り返ってみると、旭川大高OBでプロに入ってから一軍で結果を残した鈴木、そして乱橋はともにドラフト下位指名だった。沼田も育成契約という下位指名での入団である。母校の先輩たちがプロに入ってから、ドラフト時の評価を覆したように沼田も結果を残すことができるだろうか。

 2000年に現役を引退した鈴木以来、20年ぶりとなる旭川大高OBの一軍出場に期待したい。

【旭川大高OBからのプロ入り】
※ドラフト制以降
※北日本学院高時代を含む
有沢賢持(北日本学院高→大昭和製紙北海道→日産サニー札幌→ヤクルト/1978年3位)
鈴木貴久(旭川大高→電電北海道→近鉄/1984年5位)
乱橋幸仁(旭川大高→ヤクルト/1984年6位)
田沢 由哉旭川大高→西武/2005年高校生3巡)
沼田 翔平旭川大高→巨人/2018年育成3位)
持丸 泰輝旭川大高→広島/2019年育成1位)

(文=勝田 聡)

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