監督自ら編集した映像をフル活用して。丹生(福井)の自粛期間の過ごし方
丹生高校ナイン ※写真は2019年10月から
「全く会えなかったわけではなかったで、少し把握できていましたが、『いつか絶対できるから頑張ろう』みたいなメッセージを入れた動画を送ることもありました」
福井県の丹生高校は、3月25日から1週間だけ活動出来た時期があったが、その期間を除くと5月いっぱいまで活動自粛となっていた。
自粛期間中、学校周辺をランニングをしている姿を見かけるなど、選手たちの姿が時々見ていたが、チームを率いる春木竜一監督は4月からの休校を受けて、動画を活用することを決めた。
「4月からの休校では、いつ再開になるか先行きが見えず真っ暗になりまして、選手たちがだいぶ落ち込んでいたんです。それで『このままではあかんな』と思いまして、動画を上手く活用しようと思ったんです」
具体的には、選手たちから送ってもらった自主練習の動画を、アドバイスやコメントを入れるなどの編集をして、選手たちに送り返すことをLINE上でやり取りをしていた。
また選手たちからもらった自主練習の動画を繋ぎ合わせて1本の動画に加工をしてみたり、プロ野球選手とのフォーム違いが比較出来るように編集をしてみたりと様々な手法を凝らして、選手たちにリモートで指導を続けた。
時には過去の写真や映像を用いてモチベーションが高まるような動画を作るなど、技術だけではなく精神面のサポートにも活用した。
今回の事態を受けてSNSを活用するチームが増えたが、丹生ではオンライン授業に近いような形式で、上手く使いこなして自粛期間を過ごしてきたのだ。
しかし20日に夏の甲子園の中止が決まり、福井県では代替大会の開催は検討中である。春木監督は21日に3年生を集めてミーティングを開き、選手たちと話し合いの時間を作った。「目標と目的をその時に再確認できましたので、やってくれると思っています」と選手たちが前を向いて野球に取り組んでくれることを信じて、6月から練習を再開する。
(取材:田中 裕毅)
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