高校時代は春日部共栄の9年ぶりの夏の甲子園出場に貢献。それからプリンスホテルと渡り歩き、1997年のドラフトで西武ライオンズから4位指名を受けてプロ入りした土肥義弘さん。西武と横浜ベイスターズで合わせて13年間プレーし、31勝を積み重ねる。2010年のオフに海外FAでメジャーに挑み、2015年からは古巣・西武の1軍投手コーチを務めて、菊池 雄星らを育てた土肥さんが過去に解説したケガをしにくいフォームについて再び紹介します。

 今回は肩を壊さない投げ方について指導をしていきます。
 ケガをしない投げ方において、トップの位置が非常に重要です。トップの位置が低いと、どうして怪我をしてしまうのか。それは肩から肘のラインが水平より低くなってしまうと、外旋角度、つまりしなりの角度が、肘の位置が下がることで、どんどん小さくなってしまいます。

 そうなると、腕を前に押し出すようになってしまい、腕の力で投げてしまうリスクのある投げ方になってしまいます。

 そしてもう1つ大事なのがゼロポジションです。ゼロポジションは肩関節、肩甲骨がニュートラルな状態にあることです。

 肩関節は球のようになっているので、綺麗に回るか。もしくはどこかに引っかかる動きなのですが、これがニュートラルな状態、つまりゼロポジションはどこなのか知る方法は、頭の後ろで手を置いて、真っすぐ腕を開いたところがゼロポジションになります。

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 そのゼロポジションから投げることが大事ですが、ここからさらに肩甲骨を引き込むことを忘れている人が多いです。引き込む動作をすることで肩回りの筋肉、肩甲骨や深層筋肉を使うことができますので、ゼロポジションに加えて大事な動作なんです。もし入れずに投げてしまうと、結果として押し出すような形になってしまいます。

 ですが、きっちり引き込む動作を入れる。またグラブ側の腕を前に入れることで、さらに深く肩を引き込むことができますので、より最高のポジションを作ることができます。このポジションを一瞬でも作れるような投げ方ができれば、ケガをしにくい理想的なフォームで投げられます。

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 ただ頭で綺麗なトップの位置を理解していても、実行に移せないこともあると思うので、覚えるための練習方法を紹介します。
つま先はホームベースに向けて足を軽く踏み出す
グラブを付けている手の方の肩甲骨が入った形でトップを作る
そこからシャドーピッチングをする

 これを何回も繰り返すことで、トップの位置を把握することができます。さらにこの時、軸足の股関節、体幹から始動をするようにすると、腕を振るのではなく、腕が降られるような状態になりますので、ケガのリスクを減らせると思います。

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