涙をこらえたバッティング練習。楊志館(大分)が過ごす心を整える日々

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2020.05.27

楊志館 主将・阿部謙吾主将 ※写真提供=楊志館野球部

 5月20日に決まった夏の甲子園の中止。戦後初の事態に3年生をはじめとした全国の球児たちに大きな喪失感を与えることとなった。それは大分県の楊志館も同じである。

 今年はタイプの違う4投手を中心に据えて、投手王国復活を大分県内に示すはずだった。20日も2時間の時間制限の中で練習をしていた。チーム内では「少しの可能性でも信じて待とう」と希望をもって練習をしていたことを萩原田久生監督は話す。

 しかし、その望みは届かずに大会は中止となった。「落胆する選手もいれば、涙を流している選手もいました」と3年生に与えたショックの大きさは伝わってくる。それでも、選手たちの前で言葉を選びながら話をしてきたが、21日になっても切り替えることはできなかった。

 「21日はフリーバッティングをしておりまして、私もバッティングピッチャーをしておりました。気持ちよく飛ばしているを見て、『夏の大会をやってやりたかった』と思ったんですが、空振りをする選手もいるんです。その選手をよく見ると、泣きながらバッティング練習をしていました」

 涙でボールが霞んで見えなかったから空振りをしたのだ。選手たちの中で心の整理ができておらず、22日に選手から「時間が欲しい」と直談判してきた。そこで23、24日は練習を休みにして、整理する時間を作った。

 すでに阿部謙吾主将など数名はグラウンドで練習をしているとのことだが、多くの選手たちとは26日に再会予定。大分では代替大会開催に向けて動き出している。萩原監督は大会開催を強く願っている。
 「最後の夏を通じて野球というものと向き合うことで、初めて野球人として成長が出来ると思うんです。それを経験できる節目、区切りとなる舞台を用意してあげることが我々大人の役目だと思います」

 萩原監督だけではなく、多くの監督が代替大会の開催を懇願しているはずだ。どんな形であれ、3年生に節目となる試合が迎えられるよう祈るばかりだ。

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