「最後を締めくくる、成果を発揮できる大会に」 愛媛県高野連・8月に独自の夏県大会実施を探る
8月に愛媛県高野連主催で3年生主体大会開催への道を探ることを表明した忽那浩会長
5月20日(水)・日本高等学校野球連盟(以下、日本高野連)は当初8月10日(土)に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕予定だった「第102回全国高等学校野球選手権大会」、及び兵庫県明石市の明石トーカロ球場などで8月26日(火)から開催予定だった「第65回全国高校軟式野球選手権大会」の中止を発表。
この発表を受け、愛媛県高等学校野球連盟(以下、愛媛県高野連)は翌5月21日(木)14時より愛媛県松山市の愛媛県立松山商業高等学校で理事会・大会運営委員会を開催。約1時間20分に渡る議論後、忽那 浩会長は報道関係者に対し今後の方向性を自らの口から発表した。
1.7月中の期間で愛媛県高野連独自の大会は開催しない。
愛媛県内はいまだ「感染警戒期」にあり、チームトレーニングの見通しが立っておらず。1ヶ月のトレーニング期間を経ないと試合開催には大きな危険を伴う。また、夏休みが大きく短縮される中、県下の加盟校校長にアンケートを行った際も回答を得た49校中43校が「7月中の開催は難しい」という意見だった。
*同日、愛媛県教育委員会から部活動開始は5月25日(月)から・対外試合開始は6月22日(月)からとする通知が発出された。
2.7月に入った際に練習試合ができる環境であれば、3年生の記念試合・引退試合開催に対し、県高野連は会場提供の協力を行う。
3.8月<8月1日(土)~15日(土)くらいまで>の期間、各地区別新人大会に代わる「てっぺんを取る大会にはせず、ユニフォームを着て1試合ないし2試合をしてもらいたい」(忽那会長)3年生主体の高野連主催大会実施を探っていく。現時点では無観客開催を想定。
ただし、もし大会が開催された場合も3年生・チームの出場を強制するものとはならない。なお、今年度は3年生主体大会の実施いかんを問わず各地区別新人大会は開催しない。
また、開催可否の最終決定と詳しい大会要項は、すでに県高野連独自の大会を目指すことを表明している香川県・徳島県などから新型コロナウイルス感染拡大防止策、開催に必要な情報を収集し、監督会総会<6月15日(月)予定>等での協議を経て、6月中をメドに決定する。
40分近くに及んだ会見中には何度も目を潤ませ言葉を詰まらせる場面もあった忽那会長。それでも「3年生に踏ん切りを付けるため、最後を締めくくる、成果を発揮できる大会にしたい」と強い決意と覚悟を示したリーダーに周囲が一致団結で呼応し、安全開催への道筋が見い出されることを今は祈りたい。
(取材・寺下 友徳)
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