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秋田、金足農など公立校王国・秋田を率いる伝統公立校。第1回大会と第100回大会で決勝進出

2020.05.20

秋田、金足農など公立校王国・秋田を率いる伝統公立校。第1回大会と第100回大会で決勝進出 | 高校野球ドットコム
吉田 輝星

 2018年、第100回記念大会となった夏の甲子園で吉田 輝星を擁し、金足農横浜近江日大三と名門校を撃破し、決勝進出を果たした。この決勝進出は秋田県勢2回目の決勝進出となったが、前回秋田県勢が決勝に進出したのは第1回大会で、当時は秋田中が決勝に進出していた。

 そんな秋田県には金足農を中心に伝統的な公立校が多く、秋田県を引っ張る形になっている。今回は金足農に限らず、甲子園で数々のドラマを生んできた秋田の公立校を紹介していきたい。

【秋田県の魅力的な公立校】
金足農
選手権:出場6回  準優勝1回  選抜:出場3回 
秋田中央
選手権:出場5回
秋田商
選手権:出場18回  選抜:出場6回
能代松陽
選手権:出場3回
秋田
選手権:出場19回 準優勝1回 選抜:出場5回
横手
選手権:出場1回

 金足農は春3回、夏6回の合計9回の甲子園出場を誇る。夏の通算勝利数は12を数え、夏の成績は12勝6敗と大きく勝ち越している。6回出場のうち3回は初戦敗退しているため、3回の大会で12の勝ち星を重ねたことになる。1984年大会に4勝で準決勝進出、1995年大会に3勝で準々決勝進出、2018年に5勝で決勝進出を果たしている。

 やはり、特筆すべきなのは1915年大会以来103年ぶりに秋田県勢の決勝進出を果たした昨年の夏だ。エース吉田 輝星がチームを引っ張り、初戦で鹿児島実、2回戦で大垣日大を破ると、3回戦で横浜を相手に2点リードされた8回に3点本塁打で逆転し、勝利を呼び込んだ。さらに続く準々決勝近江戦では逆転サヨナラ2点スクイズで勝利するなど、劇的な試合の連続で準決勝まで駒を進めると、準決勝日大三戦では1点差で勝利するなど接戦をものにしてきた。

 こうして決勝まで進出した金足農は決勝で大阪桐蔭に敗れ、準優勝似終わったが、大きなインパクトを残した。

 秋田中央は夏の甲子園に5回出場。秋田市立時代は1968年にベスト8進出している。そして昨夏は決勝戦の明桜相手に延長11回サヨナラで久々の甲子園出場をしている。

秋田、金足農など公立校王国・秋田を率いる伝統公立校。第1回大会と第100回大会で決勝進出 | 高校野球ドットコム
成田翔

 石川雅規など数多くの野球人を輩出している秋田商は1960年選抜ベスト4。その後も甲子園にたびたび出場し、夏の甲子園には計18回出場。直近では2015年夏の甲子園では成田翔(千葉ロッテ)を初戦の龍谷戦を突破すると、甲子園では3回戦で健大高崎と対戦。2点リードで迎えた8回に同点にされると、延長にもつれ込む大接戦になった。10回に1点を勝ち越し、最終回もエース成田翔が投げ抜き、準々決勝進出を果たした。

 能代松陽は2013年創立の県立で県立能代北と能代市立能代商が統合した。能代商時代、2011年はエース保坂 祐樹を中心として、神村学園に勝利し、秋田県勢として14年ぶりの初戦突破を果たしている。2回戦で香川の英明と対戦し、エース保坂 祐樹が完封し、2対0で完封勝ち。3回戦では広島の如水館と対戦。

 好中継プレーで2度のサヨナラの危機を防ぐなど堅守が光ったが、延長12回裏にサヨナラ負けを喫し、一歩及ばなかった。

 だが、秋田県勢16年ぶりの1大会2勝を挙げた功績は見事だった。校名が能代松陽に変更してからも、甲子園出場はないが、春季大会、秋季大会において県大会で何度も優勝するなど、県内でも強さは健在だ。

 秋田は大正4年の第1回選手権大会、秋田中学として初出場し準優勝。これが秋田の高校野球において、2018年に金足農が決勝に進出するまでで唯一の決勝進出となった。

 その後、秋田県を代表する伝統校として名を馳せ、甲子園には春夏合計24度の出場を誇る。

 横手は甲子園出場は1969年夏の甲子園に出場。平安と対戦し、3対1で惜しくも敗れてしまった。以降甲子園への出場はないが、県内で強さを見せる。2016年春に準優勝、秋には優勝し、東北大会ベスト8に進出。2018年秋にも準優勝東北大会に進出と甲子園に手が届いても不思議ではない戦況だ。

 また落合博満を輩出した秋田工、通算284勝の大投手・山田久志を輩出した能代などプロ野球界で活躍する野球人を輩出しているのも見逃せない。

 これまで公立校が牽引し、盛り上げてきた秋田の高校野球。この夏はどんなドラマが起こるのか。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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