昨シーズンは終盤に猛烈な追い込みをみせ3位に滑り込んだ阪神。当然、今年はそれ以上の順位を目指すことになる。その上積みとしての補強はドラフトではなく、外国人選手が中心だった。ドラフト会議では支配下6人の指名のうち、上位5人が高校生。直近のシーズンというよりは、3年後、5年後といった先に目を向けていた感が強い。

 そんな阪神のドラフト1位である西 純矢創志学園)は、2年夏の甲子園で全国デビュー。2試合(18回)を投げ、25三振を奪い強烈なインパクトを残した。その活躍もあり、創志学園高から初となるドラフト1位でのプロ入りとなったのである。

 その創志学園高は岡山県の高校だが、同県からはドラフト制度以降多くの名選手が輩出されてきた。

 1960年代は松岡弘(倉敷商→三菱重工水島→サンケイ5位)、星野仙一(倉敷商→明治大→中日1位)、平松政次(岡山東商→日本石油→大洋2位)といったレジェンド級の投手たち。それ以降も八木裕(岡山東商→三菱自動車水島→阪神2位)、佐々木誠(水島工→南海6位)、高橋信二(津山工→日本ハム7位)らがプロの世界で実績を残した。

 しかし、西のように高卒でドラフト1位指名され、プロでも確固たる実績を残した選手はひとりもいない。これまで岡山県の高校出身者でドラフト1位指名されたのは西が8人目。そのなかで高卒でプロ入りしたのは、森安敏明(関西高→東映)、山根雅仁(岡山南→広島)と2人いる。

 第1回目のドラフトで東映から1位指名された森安は、1年目から2桁勝利をマークし4年目までに53勝。5年目も5勝を挙げていたが、黒い霧事件で永久追放された。順調にキャリアを積み上げていた矢先の出来事である。

 一方、1993年のドラフトで広島から1位指名を受けた山根は、一軍でわずか8試合の登板に終わり、1勝もできず現役を引退となった。選手としては結果を残すことができなかったものの、引退後はチームに残りスコアラーなどとして活躍。現在は編成・ファーム担当部長としてチームを支えている。

 森安、山根は選手としてプロ入り後に大成することができなかった。はたして西は「高卒ドラ1」にふさわしい成績を残すことができるだろうか。

【岡山県の高校出身のドラフト1位】
1965年:森安敏明(関西→東映)
1966年:槌田誠三(倉敷工→立教大→巨人)※2次ドラフト
1968年:星野仙一(倉敷商→明治大→中日)
1974年:福井保夫(津山商→松下電器→近鉄)
1992年:山原和敏(玉野光南→川崎製鉄水島→日本ハム)
1993年:山根雅仁(岡山南→広島)
2008年:野本圭(岡山南→駒沢大→日本通運→中日)
2019年:西 純矢創志学園→阪神)

(記事=勝田 聡)

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