【動画】リーグ戦40回優勝!東京六大学の強豪・明治大の練習はタメになる内容だった!
東京六大学に属する明治大学と言えば、昨春のリーグ戦優勝をはじめ春秋通じてリーグ戦40回の優勝。さらに2019年の全日本大学野球選手権優勝と、数々の輝かしい実績を誇る強豪。そして闘将・星野 仙一をはじめ、川上憲伸、柳裕也。また高山俊に広島東洋カープへ進んだ森下暢仁など10年連続でプロ野球選手を輩出。
社会人でも活躍する選手も数多くおり、教育機関としてもの側面も持つ明治大の練習を今回を見ていきたい。高校生も参考になるようなところが必ずあるはずだ。
まずはキャッチボールから見ていくと、スタートから徐々に距離をとっていくところは高校野球と変わらない。しかし距離を縮めて塁間より少し長い30メートル程度の距離をとると、笛の合図で選手たちが投げ込んでいく。
クイックで素早く投げるのではなく、丁寧にやっているのが印象的だ。それからよく見ていくと高さを意識して取り組んでいるのがわかった。しかしこの練習は何を意識をしているのか、学生コーチとしてチームを支える4年の吉村孝に聞くと、明確な答えが出てきた。
「カットプレーやタッチプレーでは求められる送球の高さが変わります。ですので日ごろのキャッチボールから、胸とベルトと、膝元の3種類に高さを分けて実戦を意識して取り組んでいます」
ただ肩を温めるのではなく、実戦で使えるスローイングを身につける。こうした取り組みが緊迫した試合の勝負所で活きてくる。実際にその後の外野も混ぜたシートノックでは、外野のバックホームで送球が浮くことはまずない。意識的に投げているのはもちろんあるだろうが、キャッチボールの成果が出ている瞬間でもあった。
投内連携の様子
また内野だけでのノックでは、ノック前に短い距離でボール回しをしていた。高校野球であれば冬場に取り組むチームはよくあるが、大学野球のレベルで春先にやっていることに驚きがある。ただ、正確かつスムーズに回すところはレベルの高さを感じさせるが、ここにどんな意図があるのだろうか。
「短い距離であってもしっかり投げる、捕る。基本的なところをしっかり固めるという意味を込めて、最初は短い距離でボール回しをするんです」
吉村さんも学生コーチとして指導者のアドバイスを聞いていると、当たり前のことを伝えていることを耳にするとのこと。プロのキャンプを見ていても、序盤は基本の確認に多くの時間を使う。大学、プロであっても基本を大事にすることは変わらないが、その反復具合や徹底力がレベルが上がるにつれて違ってくるのだ。
またキャッチボールでも分かったことだが、いかに練習から実戦を意識して練習に取り組めるかもポイントだ。午後はバッティング練習がメインとなったが、マシンが設置された箇所は、ストレートと変化球が混ぜている。一定のテンポで気持ちよく打つのではなく、試合で使える技術を磨くための工夫だが、こうした取り組み方が参考にできるのではないだろうか。
基本の反復、実戦を意識した練習の取り組み。こうしたところに大学クラスの凄さが見えたが、上のステージで活躍する選手に共通点はあるのか。吉村コーチはこのように語る。
「癖がない選手は活躍していると思います。大学ですと走攻守で癖、無駄な動きがあると詰めの部分で結果が変わります。守備であれば速い打球が来た時に、動きに無駄が多いとミスに繋がります。バッティングでもスイングの中に無駄があれば、大学レベルの投手への対応が難しいです」
だからこそ、身体の動き1つずつ正確に理解して癖のない、無駄のない動きが出来ることがポイントなってくるのだ。そのためにも、まずは自分の課題はどこにあるのか実戦を通じて見つけ出し、課題意識をもってどれだけ練習に取り組めるのか。また今の状態が限界と決めつけず、ギリギリまで理想を求める飽くなき向上心を持ち続けることが、上のステージで活躍するためには必要なのだろう。