「母の日」だからこそ知りたい。選手としての成功に関わった黒田博樹、山崎康晃の母とのエピソード
5月10日は「母の日」だ。今回は、プロ野球選手とその選手の母にまつわるエピソードを紹介したい。
まず1人目は2016年限りで現役引退した黒田博樹(上宮出身)。黒田の義理深い性格は母親の靖子さんから受け継がれている。上宮時代の恩師で、現在、近畿大の監督を務める田中監督は黒田のルーキー時代のエピソードを語ってくれた。
1997年4月25日、黒田はプロ初登板の巨人戦で1失点完投。この快挙に翌日の多数のスポーツ紙で、黒田の活躍が取り上げられた。
その中に選手の宝物を挙げるコーナーがあった。完投勝利の翌日はもちろん黒田が取り上げられていた。そしてその時、黒田が宝物としてあげたのが入団時に田中監督からいただいた「闘魂 黒田博樹」と刺繍されたグラブだった。
田中監督からすれば非常に嬉しいエピソード。そのことを知ったのは、黒田の母・靖子さんからの手紙だった。
「お母様から手紙とその新聞の切り抜きを私に送ってくれたんです。手紙には達筆な字で感謝の思いがつづられており、そして新聞の切り抜きが添えられてありました。そこまでしなくてもいいじゃないですか。でもその心遣いが嬉しかったですね」
靖子さんは黒田を厳しくしつけをしたとして有名だ。黒田の精神力の強さ、心配りは母・靖子さんから大きく影響されているものだろう。
もう1人は山﨑康晃(帝京ー亜細亜大ー横浜DeNAベイスターズ)だ。高校1年生のとき、勉強にもついていけず、退部を考えた時、それを思いとどめたのが母・ベリアさんだった。
野球部に残ることを決めた山﨑は2年夏、3年春に甲子園出場。そして今では抑え投手として活躍している。
そして山崎のSNSを通じて親子の仲の良さが伝わってくる。
こういう時だからこそ現役球児は感謝の思いを伝える日にしたい。
関連記事
◆エース・今井、好打者・長野など2014年の夏を盛り上げた三重高校準優勝メンバーのその後
◆堂林や磯村ら 2009年中京大中京の全国制覇メンバーたちのその後
◆横尾、高山など2011年甲子園優勝・日大三ナインの現在地