甲子園のスター、国立大出身や海外留学経験者など 2019年ドラフトでプロ入りを果たした異端な野球人たち
共にプロ入りを果たした岸潤一郎と平間隼人
2019年のドラフトでは育成契約選手を含め107名がプロ入りを果たした。その中でいわゆる”野球エリート”のような、順風満帆で豪華な経歴ではなく、一風変わった経歴でプロ入りを果たした「異端な野球人」を紹介する。
・岸潤一郎(明徳義塾-拓殖大中退-徳島インディゴソックス) 埼玉西武8位
1年夏から4度の甲子園出場を果たし、U18日本代表にも選出され、高校最後の公式戦長崎国体では優勝を果たした甲子園のスター。進学した拓殖大では右ひじの故障などから3年秋に野球部を退部し大学も中退。徳島インディゴソックスの球団関係者の打診により入団。2018年シーズンには盗塁王に輝き、2019年は独立リーグ日本一に大きく貢献する活躍を見せ、埼玉西武から8位指名を受ける。
・平間隼人(鳴門渦潮-徳島インディゴソックス )読売育成1位
高校時代から四国地区を代表する内野手として注目を集め、3年夏に徳島大会準優勝を果たす。主将を務め、3番・遊撃手として5試合17打数6安打、打率.353、打点3の成績を残した。
高卒1年目から5年間徳島インディゴソックス でプレー。2017年シーズン終了後に家庭の事情でチームを退団し電気工事士として働き、家計を支える。2018年後期に復帰し19年には盗塁王のタイトルを獲得した。読売育成1位で指名を受け、岸、上間永遠と共にプロ入りを果たした。
・松田亘哲(江南-名古屋大)中日育成1位
中学は軟式のクラブチームに所属。体格差の懸念から野球を諦め高校時代はバレー部に所属した。大学受験の際、名古屋大硬式野球部への入部を目標に掲げ、見事現役合格を果たす。入部当初から投手を志望し、硬式野球未経験から最速148キロ左腕までに成長。中日に育成1位で指名を受け、名大初のプロ野球選手となった。
・山崎真彰(東京学館浦安-東京国際大中退-ウィラメント大留学-ハワイ大編入)東北楽天育成3位
東京学館浦安時代は2年時に千葉県選抜で米国遠征を経験。3年生の夏は県大会2回戦で敗退でこれが最高成績。東京国際大を2014年に中退し、オレゴン州・ウィラメント大に留学。留学中にハワイへ行き、ハワイ大のトライアウトを受けると、練習生として合格する。編入したハワイ大ではリーグ戦で2年連続で打率3割を超え、MLBのドラフト候補にも挙がる。東北楽天に育成3位指名を受け入団。
・松山真之(都立四商-富山サンダーバーズ)オリックス育成8位
高校3年の夏は2回戦・都立昭和にコールド負けを喫し初戦敗退となった。高校野球引退後一般企業就職を目指すも、記念受験で富山のトライアウトを受け、入団を勝ち取る。 富山で才能を開花させ高校時の最速138キロから、147キロへ成長を遂げる。全体最終の107番目に指名を受け、高卒の一年後にプロ入りを果たした。
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