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松坂大輔、涌井秀章、藤平尚真など横浜高からプロ入りした豪腕たちを振り返る!

2020.05.07

松坂大輔、涌井秀章、藤平尚真など横浜高からプロ入りした豪腕たちを振り返る! | 高校野球ドットコム
柳裕也、松坂大輔、涌井秀章

 夏18回、春16回の出場、夏2回、春3回の優勝を誇り、1998年には松坂大輔を擁し春夏連覇を達成した神奈川の名門横浜。甲子園での活躍のみに止まらず、OBはプロ野球や名門大学、強豪社会人で活躍を続ける。そんな横浜高校からは数々の好投手が誕生し、プロの舞台でも活躍を見せている。今回はそんな横浜高校出身の好投手たちがどんな活躍を見せてきたのか、注目したい。

横浜出身の好投手たち】
松坂 大輔
【日米通算成績】
376試合170勝108敗2セーブ3ホールド2130奪三振、防御率3.53
成瀬 善久
【通算成績】
255試合96勝78敗1211奪三振、防御率3.43
涌井 秀章
【通算成績】
417試合133勝128敗37セーブ16ホールド 1688奪三振、防御率3.51

土屋 健二
【通算成績】
18試合2勝3敗1ホールド13奪三振、防御率10.80
柳 裕也
【通算成績】
47試合14勝16敗233奪三振、防御率4.04
田原 啓吾
一軍出場なし
藤平 尚真
【通算成績】
25試合7勝12敗118奪三振、防御率4.12
及川 雅貴

 松坂 大輔は1年秋からベンチ入り。2年春からエースとして名門横浜を引っ張った。エースで4番と新チーム結成後、公式戦44連勝、選抜、選手権大会、国体の史上初3冠の立役者。夏の決勝の京都成章戦ではノーヒットノーランで春夏連覇を達成、PL学園との延長17回の死闘など記録記憶ともに残る選手である。

 プロ入り後は西武ライオンズで1年目から先発の柱として活躍し、16勝を挙げ、新人王を獲得すると、8年の在籍で108勝し、その間に最多勝3回、最優秀防御率2回、最多奪三振4回、その他にも沢村賞やベストナインなど数々のタイトルを獲得し、2007年シーズンからはMLBに挑戦、1年目から15勝と200奪三振を達成。翌年には18勝を挙げるなど活躍。さらにシドニー、アテネのオリンピック、2度のWBCに日本代表として選出されると、日本のエースとして大車輪の活躍を見せた。2016年シーズンからNPBに復帰、今季から埼玉西武ライオンズに復帰するが、若き日の松坂 大輔の圧巻の投球を再び見たい。

 成瀬 善久は第75回選抜高等学校野球大会に出場、決勝戦まで勝ち進むと、西村健太朗白濱裕太のバッテリーを擁する広陵高校と対戦、先発した1学年下の涌井秀章をリリーフしたが共に打ち込まれ、3-15という大敗を喫した。2003年ドラフト会議で6位指名を受け、千葉ロッテマリーンズに入団すると、2007年に開花。16勝1敗、防御率1.81の好成績で最優秀防御率と最高勝率のタイトルを獲得。2009年から4年連続で2桁勝利を挙げるなど活躍を見せた。今季からは栃木ゴールデンブレーブスに所属することになるが、さらなる活躍に期待したい。

 涌井 秀章は高校入学時から松坂 大輔二世と呼ばれ、大きな期待を付けた涌井は高校2年春に第75回選抜高等学校野球大会では1学年上のエース・成瀬善久(現・BC栃木)と共に出場した。決勝戦の広陵戦では先発し、広陵のエースの巨人で中継ぎとして活躍した西村健太朗や広島で捕手として活躍する白濱裕太と対戦。しかし広陵打線につかまり、成瀬と2人で合計15失点し、優勝を逃した。最終学年となった涌井は04年の第86回全国高等学校野球選手権大会では大会屈指の好投手として注目を集め、準々決勝までの3試合で全て完投。準々決勝までの高い奪三振能力を見せつけ、スカウトの評価を大きく上げた。

 同年ドラフトで西武ライオンズから単独1位指名を受け、プロ入りを果たす。2年目に活躍を広げ、12勝をマーク、翌2007年には17勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得すると、2010年まで5年連続で2桁勝利。2014年から籍をおいた千葉ロッテでもエース格として活躍、2015年には15勝で最多勝のタイトルを再び獲得するなど活躍した。今季から東北楽天でプレーすることになったが、今年は勝負の一年になる。

 土屋 健二は2006年に横浜高校に進学、2007年秋の明治神宮大会では準優勝投手となった。エースとして3年生時の春(2008年)に出場した第80回選抜大会は初戦(2回戦)で北大津高校の前に敗退するも、続く3年生時の夏の第90回選手権大会では浦和学院高校や広陵高校、仙台育英高校といった強豪を撃破したものの、準決勝で浅村栄斗を擁する大阪桐蔭高校に敗れベスト4。2008年ドラフトで4位指名を受け、北海道日本ハムに入団。プロ入り後北海道日本ハムでは4試合に登板するも勝利を挙げることができず、2012年にトレードで横浜DeNAに移籍すると、移籍後初登板となった4月6日の対東京ヤクルトスワローズ戦でプロ初勝利を挙げる。2015年に戦力外通告を受け、現役引退を決めている。

 柳 裕也は高校2年の春に第83回選抜高等学校野球大会に出場。初戦の波佐見高校戦は中継ぎで3回2安打6奪三振1失点と好投するが、打線が松田遼馬に抑えられ敗退した。2年の夏には神奈川県大会決勝で桐光学園高校の1年生松井裕樹と投げ合い、9回途中1失点の好投、チームは10回サヨナラ勝ちで第93回全国高等学校野球選手権大会出場に貢献した。3年春の選抜ではチームのベスト8進出の立役者となった。3年夏には昨年対戦した桐光学園松井裕樹と再戦。3-4で敗れ、前年のリベンジを許し、甲子園出場を逃した。明治大学進学後には1年春からリーグ戦に出場。キャプテンとなった4年の春は10試合に投げ、6勝1敗、87奪三振、防御率0.87と勝利数、奪三振、防御率でリーグトップを記録し、2季連続のベストナインに選ばれた。4年秋になると、リーグ史上15人目となる300奪三振を記録。

 2016年ドラフトで中日ドラゴンズと横浜DeNAベイスターズから一位指名を受け、抽選の結果中日ドラゴンズに入団することが決定した。プロ入り後3年目となる昨季に自身初の2桁勝利を達成するなど、先発の柱に成長。エース格へと成長したい。

 田原 啓吾は1年時の秋からベンチ入り、3年時の春は、第84回選抜高等学校野球大会に出場。ベスト8で関東第一高に2-4で敗れたが、3試合全てに3番・右翼手として出場した。3年時の夏は、神奈川県予選ベスト8で松井裕樹擁する桐光学園高に3-4で敗退したが、自身は背番号9ながら投手として5試合全てに登板した。2012年ドラフト会議で育成ドラフト1位指名を受け、読売に入団した。プロ入り後は一軍公式戦に出場することなく2016年に戦力外通告を受けた。

 藤平 尚真は1年時の春からベンチ入りを果たすと、1年時の秋からエースの座を確保した。3年時の夏に選手権神奈川県大会を制し、甲子園に出場すると初戦の東北高校戦で、7回途中まで13奪三振1失点と好投。2回戦で寺島成輝擁する履正社高校に敗れたが、2試合通算で13回を投げて、20奪三振、防御率0.69という好成績を残した。2016年ドラフト1位で東北楽天から単独指名を受け、入団した。1年目から一軍で登板を果たし、初勝利も飾るが、3年目となる昨年は0勝に終わった。4年目を迎える今季は才能を開花させ、2桁勝利を目指せる投手に成長したい。

 及川 雅貴は1年春からベンチ入りし2年秋からエース、1年夏、2年夏、3年春と3度の甲子園大会出場を果たし、3年時には奥川恭伸星稜)、佐々木朗希大船渡)、西純矢創志学園)とともに「高校BIG4」と呼ばれた。3年春の選抜では初戦の明豊戦に先発するも3回途中5失点で降板し、チームも敗戦した。最後の夏の大会では準々決勝の相模原戦にリリーフ登板するも1回2/3で3失点し逆転負けを喫した。2019年ドラフトでは阪神タイガースから3位指名を受け、入団した。今季からプロ生活を開始したが、プロ野球が開幕した際には一日も早く一軍のマウンドで活躍する姿を見てみたい。

 これまで数々のドラマと数々の名選手を生み出してきた名門横浜。今後も甲子園で強さを見せること、OBがプロで活躍することに期待したい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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