ヤクルトの名投手・伊藤智仁を輩出した花園が抱える不安
写真は2019年7月の練習から
政府から発表された、特定警戒都道府県の1つに入った京都府。ヤクルトの名投手・伊藤智仁、中日の名捕手・中村武志を輩出した花園は昨秋、1次予選で姿を消してしまい、春は巻き返しを図るべく鍛錬を重ねてきた。しかし新型コロナウイルスの影響で活動ができなくなった。
学校は5月7日から再開することとなっているが、同時に部活動を再開できるかは不透明。「先行きは見えないので厳しいですよ」と小瀬博孝監督は厳しい現場の現実を語る。1か月近く練習ができておらず、選手たちと直接会ってコミュニケーションをとることができていない。
小瀬監督は不定期ではあるが主将と副主将に連絡を取っており、選手たちへの連絡事項を伝えている。ただ、その内容も強制や強要ではなく、あくまで提案ベースとなっている。
「野球をする場所がなくて外では練習できない環境ですので、強制ができないです。ですので、細かな指示を出さずに選手たちが考えてやるようにさせています」
選手たちのこれまでの経験、そして調べてできる範囲での練習をする日々。夏のことを考えると不安がよぎるところだが、小瀬監督は「楽しみですね」と語る。それは現実を受け止めた上で、選手たちの成長に期待をしているからだ。
「こうなってしまった以上、体力や感覚は落ちてしまいますので不安はないです。どこの学校も同じですので、仕方がないです。ただ、この期間をどう過ごすのか。人としてどう成長するのか。今度会ったときにどんな動きをするのかですね」
周りの学校も同じ状況であることを理解したうえで、選手たちは1日をどのように過ごすのか。自粛期間を通じて選手たちがどう変わるのか。前を向いて再開の日を待っているのだ。
「健康であれば何でもできます。夏の大会はわからないですが、感染せずにどう乗り越えるかだけですね」
最後にこのように語った小瀬監督。無事に再開できる日まで、選手たちがそれぞれ考えて過ごす日々が続く。それが花園にとって吉と出るかどうか、集大成の夏が開催されることを祈るばかりだ。
(記事:田中裕毅)
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