不安は大会が出来るかどうか。秋16強・安中総合は再開まで選手主導で焦らず待つ
トレーニングに打ち込む安中総合ナイン(写真は今冬の練習の様子から)
昨秋の群馬県大会で16強に入った安中総合。中学時代、軟式U-15代表だった140キロ右腕・清水惇擁する注目チームの安中総合は、打倒・健大高崎、桐生第一、前橋育英を掲げて冬場を過ごしてきたが、練習は自粛中。再開予定は5月7日となっているが、確定ではないため先行きが見えない。
自粛の始まりは2月の最終週からで、全体練習はほとんどできずに現在まで来た。4月に入ってやっと施設開放で3日間だけグラウンドが使える環境になったが、部活動ではないため指導はできず。本格的に練習ができていない安中総合だが、自粛期間中は選手たちに練習を任せている。
「最低限の決め事、そして個人でプラスしてやったことをグループLINEで自主申告で報告してもらっています。そうした選手たちに主体性をもってやるように指導をしてきていますので、不安があるとすれば大会が開催されるかどうかだけです」
そう語るのは吉田省吾監督。選手それぞれが考えて課題に向き合うことで、大事にしていることや意識の高さの違いが見えてきているとのことだが、選手たちには焦ることなく自粛期間中を過ごすことを伝えている。それは「どこも同じ条件ですので」と理解をしつつ、やるべきことをできればと結果は出ることを信じているからだ。
グループLINEではノートに練習内容を報告してもらい、時には選手たちが前向きになれる。もしくは一般的な記事を送ってあげることで、選手たちが自然体でいられるように務めてきた。だが、新入生に対しては不安の方が大きくなってしまっているのが現状だ。
「問い合わせが来た1年生は施設開放の時に来ましたが、その子たちに何もできていないので放置になってしまっている状態です。本来ならば基本的な考えを伝えたりと、一番詰め込みたい時期に何もできないので」
夏の大会についても「制限などがあるかもしれませんので、その中でどうやって嫌な思いをさせずにできるか考えておこう」と様々なケースに備えている吉田監督。再開してもすぐに元通りとなるかわからない中だが、安中総合は強豪撃破に向けて選手それぞれが準備を進めていく。
(取材=田中 裕毅)
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