山田哲人、安田尚憲、井上広大など履正社高からプロ入りしたスラッガーたちを振り返る!
左から井上広大、山田哲人、安田尚憲
2018年に大阪桐蔭、昨年は履正社が優勝し、2年連続で優勝を飾った大阪地区。昨年の履正社の優勝は同校の甲子園での初の優勝だった。チームには桃谷 惟吹や井上広大などたくさんの強打者を揃えた。過去にも山田哲人など幾多の強打者を生んできた履正社。今回はそんな履正社高校出身の強打者たちをまとめた。
【履正社出身の好打者たち】
T-岡田
山田哲人
坂本誠志郎
宮本丈
中山翔太
安田尚憲
井上広大
T-岡田は高校時代大阪桐蔭・平田 良介の同学年でしのぎを削った。高校通算本塁打は55本で、『ナニワのゴジラ』と呼ばれ注目を集めた。また3年夏は平田、辻内 崇伸、中田 翔らを輩出する大阪桐蔭と大阪大会準決勝で対戦し、敗れたものの、中田から9回表にバックスクリーンへの3ラン本塁打を放った。
2005年高校生ドラフトで1位指名を受けたオリックス・バファローズに入団した。プロ入団後も長打力を武器に活躍。ここまで通算170本の本塁打を放っている。昨年は怪我の影響もあり、20試合の出場に終わったが、今季は長打力を発揮し、チームの主軸としての活躍に期待したい。
山田 哲人は3年夏に甲子園出場。2回戦・聖光学院戦では好投手・歳内 宏明に対して、一人だけ彼の速球・変化球を見極め、四球。次の打席ではレフト前ヒット。そして第4打席にはレフトスタンドへ飛び込む本塁打を放った。この本塁打はまさに彼の名を上げる一打だっただろう。同校先輩のT-岡田にちなんでT-山田とも呼ばれて高校通算31本塁打をマークした。
2010年ドラフト会議で外れ外れ1位でヤクルトスワローズに入団。プロ入り後は日本人右打者シーズン最多安打記録保持者(193安打 = 2014年)、史上初の本塁打王と盗塁王の同時獲得者(2015年)、史上初のトリプルスリー複数回達成者(3回)など数々の日本記録を樹立する日本を代表する名プレイヤーに成長。来季開催される東京五輪にも日本代表に選ばれることが予想され、活躍が期待される。
坂本 誠志郎は山田の1学年後輩で2年夏、3年春と甲子園に出場。春の選抜では総合技術、九州学院、智辯和歌山と下し、準決勝まで進んだ。経験に裏打ちされたインサイドワーク、勝負強い打撃には玄人受けするものを感じさせるものがあった。
高校卒業後は東京六大学野球の名門・明治大学に進学。1年春からリーグ戦に出場し、1年秋から正捕手に定着。リーグ戦通算96試合の出場で、294打数68安打、打率.231、3本塁打、38打点、3盗塁、ベストナイン2回を記録。2015年ドラフト2位で阪神に入団。阪神では梅野 隆太郎が正捕手に座り、出場機会を増やすことができていないが、これからの活躍に期待したい。
宮本 丈は2年生出迎えた2012年春の選抜と翌年の選抜に出場した。高校卒業後は奈良学園大に進学し、1年春からレギュラーとなった。秋のリーグ戦では首位打者とベストナインのタイトルを獲得した。その後も活躍を続け、大学通算でベストナイン6度・首位打者3度・MVP1度の記録を残した。
2017年ドラフト6位でヤクルトに指名され、入団した。入団後、2018年、2019年ともに26試合の出場にとどまっているが、今後出場の機会を増やしていきたい。
中山 翔太は2年秋からベンチ入りし、4番レフトで近畿大会ベスト4に貢献。第86回選抜高等学校野球大会に出場し、決勝まで勝ち進み、近畿大会で敗れた高橋 奎二ら擁する龍谷大平安と再び対戦するが、敗れ準優勝に終わった。高校卒業後は東京六大学野球の名門・法政大学に進学し、2年春からリーグ戦に出場。
4年春はリーグ史上8人目のサイクルヒットを記録するなど、打率.380をマークし、ファーストのベストナインを獲得。通算64試合、打率.306、248打数76安打、11本塁打、47打点を記録。2018年ドラフトでは2位で指名を受け、ヤクルトに入団した。昨年は35試合に出場し、5本塁打。今季は出場機会を増やし、本塁打数を伸ばしていきたい。
安田 尚憲は、1年秋から主軸に定着した。2年春に4番に座ると同年夏には大阪予選大会で25打数13安打2本塁打15打点の成績を残し甲子園大会出場に貢献。甲子園では12打数で4安打を放つもチームは3回戦で敗退した。最上級生となった2年秋には近畿大会、明治神宮大会での優勝に貢献。3年春の選抜大会では17打数7安打で活躍したが、大阪桐蔭に敗れ、準優勝。
リベンジを目指した3年夏の選手権準決勝での大阪桐蔭との再戦で敗れ、甲子園出場はならなかった。2017年ドラフトで1位指名を受け、千葉ロッテに入団。今季でプロ3年目。今季こそ1軍に定着し、レギュラーを獲得したい。
井上 広大は外野手として1年夏からベンチ入り。3年春の選抜大会に出場するも、初戦の星稜戦で奥川 恭伸に4打数0安打2三振と抑え込まれ、チームも奥川に計17三振を奪われて完封負けを喫した。
3年夏の大阪大会では7試合で打率.407、4本塁打の活躍でチームを初の甲子園春夏連続出場へ導くと、甲子園でも26打数10安打の打率・385、3本塁打、14打点を記録。星稜との決勝戦では奥川から3ラン本塁打を放つなどの活躍で、選抜の雪辱を果たすとともに履正社初の甲子園優勝に貢献した。
高校通算本塁打数は49を数え、2019年ドラフトで2位指名を受け、阪神タイガースに入団。和製大砲として今後の活躍に期待がかかる。
これまで数々の強打者を生んできた履正社。プロに行った選手がさらなる活躍をすること、大学や社会人で硬式野球を続ける選手がNPBへ進むこと、今後の履正社からさらなる強打者が誕生することに期待したい。
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