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ソフトバンクのドラフトは高卒主体から即戦力重視に変化?

2020.04.14

ソフトバンクのドラフトは高卒主体から即戦力重視に変化? | 高校野球ドットコム
昨年新人王を獲得した高橋礼(専大松戸出身-専修大)

 ソフトバンクはこのオフにMLB通算54勝の左腕マット・ムーアとNPB通算288本塁打の大砲ウラディミール・バレンティンを獲得した。日本一4連覇へ向け補強に余念がない。

 ドラフト会議でも1位で即戦力候補の外野手である佐藤直樹(JR西日本)を指名。それ以降も海野隆司(東海大/2位)、津森宥紀(東北福祉大/3位)、柳町達(慶大/5位)と即戦力候補の大卒選手たちを次々と指名する。高卒選手の指名は小林珠維(東海大札幌/4位)のひとりだけだった。

 昨年も高卒選手は7名中2名と少なく、2年連続で大卒、社会人の即戦力候補を中心に指名したことになる。

 高卒選手の指名が少ないのはソフトバンクにとって珍しい。分離ドラフトが終了した2008年以降の12回(育成ドラフトはのぞく)で、全指名選手の半数以上が高卒選手だったことは8回を数える。3回に2回は高卒選手が主体となっていたのである。2015年に至っては6人全員が高卒の選手だった。

 そんな高卒選手が中心だったドラフト会議で指名された選手たちの成績を振り返ると、意外な事実が浮かび上がる。1位指名以外の選手たちの結果が伴っていないのである。

 1位指名選手では今宮健太明豊/2009年)、武田翔太宮崎日大/2011年)が一軍で実績を残しており、高橋純平(県岐阜商/2015年)も昨年ブレイクした。

 しかし、現役でプレーしている選手も多くこれからブレイクする可能性はあるにせよ、2位以下で一軍の戦力となった選手は見当たらない。

 育成ドラフトを含めると、2010年のように千賀滉大蒲郡/育成4位)、牧原大成城北/育成5位)、甲斐拓也楊志館/育成6位)とのような例はあるものの、支配下では同一年度に多くの高卒選手を獲得しても開花まで導くことができていないのである。とくに2位以下の選手は苦しい結果となっている。

 こういった事実から、2年連続で高卒選手の指名人数を絞っているのかもしれない。このドラフト指名が吉と出るかの答え合わせは数年後だ。

【ソフトバンクの高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく

<2017年/5名中3名>
1位:吉住晴斗鶴岡東
2位:高橋礼(専大)
3位:増田珠横浜
4位:椎野新(国士舘大)
5位:田浦文丸秀岳館

<2016年/4名中3名>
1位:田中正義(創価大)
2位:古谷優人江陵
3位:九鬼隆平秀岳館
4位:三森大貴青森山田

<2015年/6名中6名>
1位:高橋純平(県岐阜商)
2位:小沢怜史日大三島
3位:谷川原健太豊橋中央
4位:茶谷健太帝京三
5位:黒瀬健太初芝橋本
6位:川瀬晃大分商

<2014年/5名中4名>
1位:松本裕樹(盛岡大付)
2位:栗原陵矢春江工
3位:古沢勝吾九州国際大付
4位:笠谷俊介大分商
5位:島袋洋奨(中大)

<2011年/5名中3名>
1位:武田翔太宮崎日大
2位:吉本祥二足立学園
3位:塚田正義(白鴎大)
4位:白根尚貴開星
5位:嘉弥真新也(JX-ENEOS)

<2010年/5名中4名>
1位:山下斐紹習志野
2位:柳田悠岐(広島経大)
3位:南貴樹浦和学院
4位:星野大地岡山東商
5位:坂田将人祐誠

<2009年/5名中4名>
1位:今宮健太明豊
2位:川原弘之福岡大大濠
3位:下沖勇樹光星学院
4位:中原恵司(亜大)
5位:豊福晃司鳥栖

<2008年/7名中4名>
1位:巽真悟(近大)
2位:立岡宗一郎鎮西
3位:近田怜王報徳学園
4位:有馬翔日南学園
5位:摂津正(JR東日本東北)
6位:金無英(四国・九州IL福岡)
7位:鈴木駿也山形中央

(記事:勝田聡

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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