佐々木朗希、藤原恭大…目玉を獲得したロッテは意外にも高卒指名が少ない!?
佐々木朗希(大船渡出身)
ロッテは昨年のドラフト会議で目玉である佐々木朗希(大船渡)へ競合覚悟で果敢に入札。井口資仁監督は、前年の藤原恭大(大阪桐蔭)に引き続いて「当たりくじ」を引き当てた。
佐々木は春季キャンプでも一軍スタート。吉井理人投手コーチと二人三脚でフォーム固めを行い、来たるべき実戦デビューに備えている。
現在はチーム練習ができないこともあるが、活動休止となる前に打撃投手を務め150キロ代後半のストレートを投げ込んだ。その様子は球団公式Twitterなどで動画も配信され、大きな反響を呼んだ。ここまでは故障もなく、順調に来ていると言っていいだろう。
ロッテはこの佐々木のように、ここ数年はドラフト1位で高校野球界のスターだった選手を立て続けに獲得してきた。平沢大河(仙台育英/2015年)、安田尚憲(履正社/2017年)、そして藤原、佐々木だ。
また、先発ローテーションを争う投手たちも二木康太(鹿児島情報/2013年6位)、岩下大輝(星稜/2014年3位)、種市篤暉(八戸工大一/2016年6位)と高卒の選手が多い。ドラフト会議で高卒の選手を多く指名しているように見える。
しかし、1回のドラフト会議で高卒の選手を多く指名することは多くない。指名選手数に対して半数以上が高卒だったのは、分離ドラフトが終了した2008年以降で2018年の1回(8名中4名)だけ。広島が12年で8度も半数以上の指名を行ったことと比べると、圧倒的に少ない。昨年も高卒の選手は佐々木と横山陸人(専大松戸/4位)と5名中2名だった。
ロッテは、おもに大卒や社会人出身の選手を獲得しながら、数少ない高卒の選手を育成しているのである。ここ数年で先発投手陣は形ができてきた。
とくに種市は高卒3年目となった昨年、規定投球回にこそ届かなかったが、8勝2敗と6つの貯金をつくり防御率3.24と役割を全うしている。今年は開幕投手の候補にもあがったほどだ。
それに比べると平沢、安田といったドラフト1位の野手陣はものたりない。彼らの育成が今後の浮沈を握っていると言ってもいい。
長くチームの柱となる可能性を秘めた高卒の選手だちを投手だけでなく、野手も育成できれば上位争いの常連となるはずだ。
【ロッテの高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく
<2018年/8名中4名>
1位:藤原恭大(大阪桐蔭)
2位:東妻勇輔(智辯和歌山–日体大)
3位:小島和哉(浦和学院-早大)
4位:山口航輝(明桜)
5位:中村稔弥(清峰-亜大)
6位:古谷拓郎(習志野)
7位:松田進(國學院久我山-Honda)
8位:土居豪人(松山聖陵)
(記事:勝田聡)
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