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藤平尚真、黒川史陽はどうなる? 意外に少ない楽天の高卒選手

2020.04.12

藤平尚真、黒川史陽はどうなる? 意外に少ない楽天の高卒選手 | 高校野球ドットコム
2016年1位指名を受けた藤平尚真(横浜高出身)

 ここ数年の楽天はオフシーズンに大型補強を敢行している。2018年オフには浅村栄斗を迎え入れ、2019年オフには鈴木大地と国内FA権を行使した目玉選手を相次いで獲得した。

 それ以外にも金銭トレードで涌井秀章、オリックスを自由契約となったステフェン・ロメロと戦力アップに余念がない。もちろん外国人選手もしっかりと獲得しており、チームの幹となる部分を外部からの補強で補っている。

 ドラフト会議でも時間のかかる高卒選手よりも、大卒や社会人出身の即戦力候補となりうる選手の指名が多い。

 1位指名だけを見ると森雄大東福岡/2012年)、松井裕樹桐光学園/2013年)、安樂智大済美/2014年)、オコエ瑠偉関東一/2015年)、藤平尚真横浜/2016年)と5年連続で高卒の目玉選手を獲得してきた。

 しかし、ドラフト全体で見ると高卒選手の指名は多くない。全指名選手の半数以上が高卒選手となっているのは、分離ドラフトが終了した2008年以降では2011年(6名中3名)、2012年(6名中4名)の2回だけ。2013年から2019年までの7年間は、大卒や社会人出身の選手が中心となっっているわけだ。

 その高卒選手が主体となった2012年、2013年ドラフト指名組の面々を見ると、順調に成長し戦力となったのは島内宏明星稜-明大/2011年6位)、岡島豪郎(関東学園大付-白鴎大/2011年4位)、則本昂大八幡商-三重中京大/2012年2位)と大卒組が多い。

 高卒組では釜田佳直金沢/2011年2位)が、これまでに21勝を挙げているもののドラフト2位ということを考えると少し物足りない。その他の選手は一軍の戦力となりきれていないのが実情だ。

 分離ドラフト以降の高卒指名選手を見ても、現時点において順調に育ったと言えるのは松井と辛島航飯塚/2008年6位)とふたりしかいない。高卒指名選手の結果が伴わないことが、大卒や社会人出身選手を多く獲得する理由のひとつかもしれない。

 はたして藤平や黒川史陽(智弁和歌山/2019年2位)といった有望株をはじめ、ここ数年で獲得した高卒選手は結果を残すことができるだろうか。高卒選手の育成がうまくいけば、それは当然戦力の底上となり、石井一久GMが目指す「中長期的に優勝争いのできるチーム」となるはずだ。

【楽天の高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく

<2012年/6名中4名>
1位:森雄大東福岡
2位:則本昂大八幡商–三重中京大)
3位:大塚尚仁九州学院
4位:下妻貴寛酒田南
5位:島井寛仁(熊本G)
6位:柿澤貴裕神村学園

<2011年/6名中3名>
1位:武藤好貴札幌藻岩-JR北海道)
2位:釜田佳直金沢
3位:三好匠九州国際大付
4位:岡島豪郎(関東学園大付-白鴎大)
5位:北川倫太郎明徳義塾
6位:島内宏明星稜-明大)

(記事:勝田聡)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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