関根潤三氏が死去、日大三高の現役OBたちにかかる期待
日大三ナイン
4月9日、大洋、ヤクルトで監督を務めた関根潤三氏が老衰のため、93歳で亡くなった。
関根氏は日大三中(現・日大三高)の出身。同校時代は甲子園への出場は叶わなかったものの、根本陸夫(元ダイエー球団社長)とバッテリーを組んでいたことでも知られている。その後、法政大に進学し、1950年に近鉄へと入団。
投手として通算65勝、打者としては通算1137安打を記録した元祖二刀流だ。大谷翔平(現エンゼルス)よりも、はるか昔に二刀流として結果を残していたのである。現役を引退後は巨人、広島、大洋、ヤクルトでコーチ、二軍監督、監督を務め2003年には野球殿堂入りを果たしたレジェンドだ。
関根氏の母校である日大三高のOBを見ると、今年37歳になるベテランの近藤一樹から高卒ルーキーの井上広輝(西武)まで、幅広い世代の選手が今シーズンも現役(NPB)でプレーしている。
期待されている若手選手も多い。野手では高卒4年目を迎える坂倉将吾(広島)と伊藤裕季也(DeNA)である。坂倉は正捕手である會澤翼の後継者として期待される存在。打撃に優れていることから、コンバートも考えられていたがそれを断り捕手での勝負を選択した。今年は2番手捕手としての一軍入りを目指すことになる。
一方の伊藤は今年が大卒2年目。強打の内野手として注目されており、レギュラーの一角を狙っている。昨シーズンはオープン戦では怠慢走塁もがあり、初回で交代を告げられるシーンも。しかし、21試合の出場で4本塁打(52打数)と長打力の片鱗を見せた。二塁ではネフタリ・ソトや柴田竜拓、三塁なら宮﨑敏郎とライバルは手強いが、勝負を挑んでいく。
投手では、高校時代に清宮幸太郎(早実→日本ハム)から5打席連続三振を奪った櫻井周斗(DeNA)が先発ローテーション入りを狙っている。オープン戦では4試合(9.1回)で防御率4.82と満足行く結果を残すには至らなかった。
それでも本来の開幕戦後に行われた練習試合でチャンスを与えられた。その試合でも2.2回を投げ2失点と苦しんだ。開幕延期となったことをプラスに捉え、ラミレス監督の期待に答えたいところ。
若手以外では髙山俊(阪神)が好調だ。高山は入団1年目に新人王を獲得したものの、その後は規定打席に到達していない。しかし、この春のオープン戦で打率.313(32打数10安打)と結果を残した。5年目の節目となる今シーズンにレギュラー奪回の期待がかかる。
OBたちが活躍することが、母校のレジェンドである関根氏に対する最高の弔いとなるはずだ。日大三高戦士たちの今シーズンに期待したい。
【日大三高OB】
※2020年シーズンNPB所属
櫻井周斗(DeNA)
伊藤裕季也(DeNA)
荒木郁也(阪神)
髙山俊(阪神)
坂倉将吾(広島)
近藤一樹(ヤクルト)
井上広輝(西武)
吉田裕太(ロッテ)
横尾俊建(日本ハム)
山﨑福也(オリックス)
(記事:勝田聡)
関連記事
◆ヤクルト期待の大砲候補「右の濱田太貴」
◆奥川恭伸に背番号「11」に!東京ヤクルトが求められること
◆長岡秀樹、武岡龍世のヤクルトの高卒ショートのつばぜり合いに注目