近畿王者・天理に打ち勝つ打力を求めて。橿原学院(奈良)は1週間で9000スイングで打撃強化図る
写真は以前の取材時から
新型コロナウイルスの勢いが止まらず、各地で大会ができない状況となっているが多い。昨秋、近畿大会を制した天理がいる奈良県大会も中止が決まっている。その天理と昨秋対戦した橿原学院も今回の影響で活動を自粛した。
「3月3日から活動を自粛しておりましたので、3月はずっと練習ができていない状況でした。ですが、選手たちにはあえて休みの間は指示を出さずに任せておきました」
そう語るのは、橿原学院で指揮を執る谷車竜矢監督。高校時代は智弁学園でプレーをされていた谷車監督は選手たちの自主性に任せながらも、時折主将に電話をして状況を聞くなど選手たちの状態に気を掛けながら過ごしきてきた。
練習試合もできず厳しい環境が続くが、「選手に任せることでどうなるのか、楽しみもあります」と少し期待も持って対外試合を待つ。そんな橿原学院は昨秋は2回戦で天理と対戦するも、1対9で敗戦。課題を抱えて冬場に挑んでいったが、冬場のテーマにしたのはバッティングだった。
「天理と対戦をして『抑えるのは難しい』と思ったんです。それで、打ち合いに持ち込んで、打ち勝つしか方法がないと思ったんです」
そこで橿原学院では平日は1000回、休日であれば2000回という目標を設定して選手たちはバットを振り込んできた。その成果は夏に発揮されることとなるが、併せてチームの底上げも大事に練習をしてきた。
「新チームがスタートした時は下級生が多く特色がまだなかったので、大会で勝てるレベルまで持っていこうとしました。ただ、今は打ち勝てるようにチームを育てていますが、秋の時は1年生が6人出場しておりましたので、底上げが必要でした」
特に新3年生となる選手たちには反骨心に刺激を与えながら成長を促してきたが、その中で練習の取り組み方が変わってきたのが嶋田春希だった。
「ピッチャー兼サードの選手で能力はあるんですが、メンタルが弱かったので秋は控えでした。しかしオフシーズン中に強くなってきまして、『いけるかな』と思っています」
嶋田選手はじめ、冬場で鍛え上げた打撃を発揮するのは夏の大会となった。成果を見られるのを楽しみにしたいが、まずは無事に大会ができる状況になり、橿原学院が万全な状態でスタートを切れることを祈りたい。
(記事:田中裕毅)
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