再び全国の舞台へ。自粛から再開した羽黒(山形)が実行した、有意義な自主練の過ごし方
羽黒の練習の様子
2018年の夏の甲子園に山形代表として甲子園に出場した羽黒。昨秋は県大会ベスト8に進出する県内では強豪として存在するが、3月は満足に練習ができる状況ではなかった。
「3月2日から15日が休校になりましたので、活動も自粛しておりました。ただ16日から自主練習という形で再開ができまして、30日から全体練習ができるようになりました」
3月中旬から組んでいた練習試合や、遠征などもすべてキャンセル。さらに練習時間は2時間と制限を設けた中だったが、春の大会に向けて羽黒は全体で活動をしてきた。これから対外試合をこなしていく予定となっているが、今後の感染状況によってはキャンセルも考えられる。
現在チームの指揮を執る澁谷 瞬監督も「出来る出来ないは決めかねてしまう」と先行きが見えない状況に困惑していたが、自粛期間中は選手たちに対してどのような言葉をかけたのか。
「3月16日に登校日がありましたので、そこで選手たちと再会した時に、『再開したらすぐに紅白戦をやるよ』と話しました。いつ再開するかわかりませんでしたが、そこに向けて個人でできることを選手たちがやってきました」
目標を立てることで、選手たちが高いモチベーションで自粛期間を過ごした。そのおかげもあって、「試合など実戦でどうなるかというところですが、個人のスキルなどには支障がなかった」と澁谷監督は安心した。
そんな羽黒はオフシーズン中に選手それぞれのスキルを向上してきた。そのために今までと取り組み方を大きく変えてきた。
「選手の代表者4名とスタッフで毎週ミーティングをしまして、1週間の振り返り。そして次の1週間をどうやって過ごすか、選手の考えを吸い上げながら計画を立てたことでよりよい練習ができたと思います」
甲子園に出場した2年前の世代と比較して力不足であることを認め、個々がスキルアップを図ってきた。その中で春以降の活躍が期待されるのが3年生となった庄司龍舞と本田旭の2人になる。
「庄司は2年生の間は野手メインでしたが、冬から投手に戻ってもらいました。力強い真っすぐを投げ込めますが、投手陣を牽引するような活躍をしてくれれば秋とは違う戦い方ができると思います。
そして本田は1年生の春からベンチに入って、甲子園もベンチ入りしている。去年も下級生で唯一のスタメンでマスクも被って、県の選抜にも選ばれる能力の高さがあります。良い思いも悔しい思いもこれまでしているので、最後にぶつけて欲しいです」
現在、山形県は春季大会開催を検討しているが、どういった戦いを目指すか。最後に意気込みを聞いた。
「新3年生は29名と多いですが、いろんな選手を使って戦えると思います。実戦でよりよい形をいくつか作って、いろんな選手に様々な役割を与えて戦えるようにしたいです」
先行きが見えない中ではあるが、再び野球に打ち込んでいる羽黒。冬場にやってきた成果が見られるのを楽しみにしたい。
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