「今こそ助け合わないといけない」 監督とともに敦賀(福井)マネージャーが作った100枚の希望のマスク
敦賀高マネージャーの皆さん ※写真提供=吉長珠輝監督
31日、福井県にある敦賀高校のマネージャー4人がマスクを100枚作り、敦賀市の社会福祉協議会に寄贈したことが報じられた。新型コロナウイルスで活動が自粛している学校が多い高校野球界に明るい話題が差し込んだ。
北信越地区の21世紀枠推薦校の候補校に選出されていた敦賀。現在はコロナウイルスの関係で活動ができていないが、今回の活動に至った経緯をチームを指揮する吉長珠輝監督が答えてくれた。
「山梨県の中学1年生がマスクを作って寄贈したニュースをマネージャーに送って、『どう思う?』と聞いたんです。そうしたら『私たちでもできると思います』と返事が来たのが始まりです」
吉長監督は活動ができない間、選手の自宅に行くなど練習のサポートをしていた。しかし、マネージャーに関してはコミュニケーションが不足しがちになっていた。そのことを懸念していたところに、山梨県のニュースが飛び込んできた。それを見つけた吉長監督がマネージャーに連絡したことで始まった。
19日からマスクづくりを始めた敦賀マネージャー。吉長監督も一緒になって最初は手縫いでマスクを作成。こうして1時間で1つは作れたが、「大量生産は難しい」とマネージャーたちと話し合いながら試行錯誤を重ねた。時にはLINEでやり取りをしながら改良を続けてきた。
そして25日に一度練習を再開するころには、マスク作りの工程が決定。練習時間中に4人のマネージャーが協力して作成。「同じ作業を続けた方が最後には良いものができる」と吉長監督は考え、それぞれの得意なことを見極めて担当分野を決定。4人で1枚のマスクを作るように作業工程を組み、100枚完成させた。
「『善は急げ』で始めましたが、最初は疑心暗鬼でした。『どうやるのか。大変なのか』と楽観ではないですが、わからないまま進みました。けど大変な思いをしたからこそ、マスクのありがたみは分かりましたし、達成感がありました。そしてトライ&エラーでやってみることを学んだと思います」
「マネージャーには話しましたが、今こそ助け合わないといけないから人に勇気を与えたり、明るくすることができれば」と最後に話した吉良監督。先行きが見えない日々が続く高校野球界だが、だからこそ吉長監督の言う通り互いに助け合いながら健康第一に過ごすことが再開の近道ではないだろうか。
(取材=田中 裕毅)
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