中国地区に現れたタフネス151キロ右腕!中内 亮太(五條-東亜大)が貫録の4安打完投勝利!
自己最速にあと3キロと迫る148キロを出し113球4安打2四球10奪三振1失点(自責0)完投勝利の中内 亮太(東亜大4年主将・五條)
現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため各地の大学野球リーグが軒並み延期となる中、現在休校及び全部活動停止措置中の福山大を除く5大学での1部リーグ開幕に踏み切った中国地区大学野球連盟。
「様々なことを考えたが、まずは学生にできるだけプレーできる環境を与えてあげたい。また、8月に全日本大学野球選手権の開催が決まっている以上、1部リーグでの代表校は決めなければいけない。かつ、これ以上中国地区での感染が拡大した場合に球場や大学施設の使用ができなくると考えると、感染予防対策を取った上で、今ここでやれる試合を開催した方がいいと判断した」(中国地区大学野球連盟・岡田 麻里専務理事)中、4月4日(土)は、環太平洋大は休み。東亜大対広島文化学園大と徳山大vs吉備国際大の2カードが行われた。
オープニングカードでは昨秋、強肩強打の捕手で鳴らした梅林 優貴(北海道日本ハムファイターズ)らの活躍で初の1部昇格を成し遂げた広島文化学園大が登場。しかし、そんな彼らに大きな壁となって立ちふさがったのは、昨秋の1部王者・東亜大の絶対的エースである最速151キロ右腕・中内 亮太(4年主将・右投右打・五條<奈良>)であった。
2年生から主戦としてここまでリーグ戦274回3分の1を投げ17勝13敗。特に昨秋はリーグ戦14試合中11試合・89回3分の2を投げて7勝2敗・防御率1.21で初のベストナインに輝いたリーグ戦に加え、明治神宮大会中四国代表決定戦では惜しくも代表権を逃したものの。広島経済大・四国学院大相手に1日2試合登板という離れ業を演じた日本大学野球界屈指のタフネス右腕。
この日は冬を通じて意図的に大台に乗せた181センチ103キロの巨漢を利した最速148キロ・常時145キロ中盤のストレートと「ボールを動かして打たせて取るのが好き」なマイスタイルを体現するツーシーム、カットボール、球速帯2種類のスライダーで内野安打4本・2四球のみの10奪三振1失点完投(自責点0)。加えてランナーなしの時には返球を受けて10秒程度で投げ込むテンポの良さで、わずか113球で相手打線を料理してみせた。
「様々な方々の尽力でリーグ戦をさせて頂いていることは本当にありがたいこと。まずは感染者を出さず、できる最大限のことを務めていきたい」と主将・寮長も務める背番号10は、チームの2季連続Vと5年ぶり11回目の夏の神宮へ向けてスリークォーターからの迫力ある投球を続ける。
また、第2試合は徳山大・リーグ戦初先発となる宮崎 光志(4年・174センチ70キロ・右投右打・長門<山口>)が自己最速となる144キロを連発し力投。0対0のままタイブレークとなった延長10回も均衡が破れない展開となった。
が、最後は相手のミスになどに乗じ延長11回に3点を先制した吉備国際大が、エース・寺地 秀悟(3年・181センチ82キロ・右投右打・高陽東<広島>)の延長11回135球6安打・完投(自責点0)で先勝している。
そして最後に気になるのは中国地区大学野球春季リーグ戦の今後。まず1部リーグについては福山大のリーグ復帰を待ちつつ、5月16日(土)スタートの第4週までに消化できなかったカードについては5月末をメドに全日程終了を目指す方針。そして、来週以降の開幕予定となる2部・3部・4部リーグについては近日中に協議の上、改めて方向性を決めることになっている。
(記事=寺下 友徳)