News

西武はドラ1「以外」の高卒先発投手は苦しい? 最後の規定到達は1994年の工藤公康

2020.03.28

西武はドラ1「以外」の高卒先発投手は苦しい? 最後の規定到達は1994年の工藤公康 | 高校野球ドットコム
高橋光成

 新型コロナウイルスの影響でプロ野球の開幕が4月24日以降となった。オープン戦や練習試合で調子を整えてきたが、いったん仕切り直しとなる。

 そんな中、パ・リーグ2連覇を目指す西武は、6勝2敗1分の首位でオープン戦を終えた。

 このオフシーズンに秋山翔吾横浜創学館出身-現レッズ)が抜けたものの、山川穂高中部商出身)や森友哉大阪桐蔭出身)、そして外崎修汰弘前実出身)とその他の主軸は健在。もちろん昨シーズンに比べると、得点力は落ちるだろうが、それでもリーグ屈指の破壊力ではることは疑いようの余地はない。

 一方の投手陣は開幕投手に内定していたザック・ニールに高橋光成前橋育英出身)、今井達也作新学院出身)の甲子園優勝投手コンビ。そして松本航までは先発ローテーション入りがほぼ確定。残りの2枠を松坂大輔榎田大樹(小林西出身)、本田圭佑東北学院出身)らで争うことになる。

 やはり将来のエース候補である高橋と今井がどれだけ結果を残すことができるかが、順位の鍵を握ることになりそうだ。ふたりとも高卒でドラフト1位指名された金の卵。ここまで足踏みした時期もあったが、なんとか先発ローテーションを任される存在にまで成長した。

 さてここで西武のローテーション投手を振り返ると、かつては菊池雄星花巻東-現マリナーズ)や涌井秀章横浜出身-現楽天)、そして松坂大輔横浜出身)が高卒のドラフト1位出身としてローテーションを張ってきた。しかし高卒出身という括りで見ると、西武においてドラフト1位「以外」のローテーション投手はほとんどいない。

 中継ぎとしては武隈祥太旭川工出身)や平良海馬八重山商工出身)と結果を残している投手はいる。

 しかし、先発投手では2000年以降で規定投球回到達、もしくは2桁勝利を達成した高卒でドラフト1位以外の生え抜き投手はひとりもいない。なんと直近は工藤公康(名古屋電気出身)が130.1回を投げ11勝をマークした1994年にまで遡らねばならないのである。

 パ・リーグの他球団を見ると上沢直之専大松戸出身-日本ハム)、山本由伸都城出身-オリックス)、千賀滉大蒲郡出身-ソフトバンク)とエース格の投手がドラフト中位・下位から誕生している。

 二木康太鹿児島情報-ロッテ)や辛島航飯塚-楽天)はエース格ではないものの、先発ローテーションを張ってきた。

 まさに西武だけがドラフト1位以外から先発ローテーションを回るような投手が誕生していないのである。もちろん、チームを編成する上で、ドラフトの順位は関係ない。1位であれ、下位指名であれ、それぞれの役割を果たせばそれでいいのは事実としてある。

 しかし、ドラフト中位・下位からもローテーションを張るような投手が誕生すれば、投手陣の底上げを図ることができるのではないだろうか。

 はたして今後、そういった投手は現れるだろうか。西武の先発ローテーション投手に注目だ。

(文=勝田 聡

関連記事
ソフトバンクの育成システムの凄み リチャード、尾形で13年連続、31度目の育成からの支配下登録
周東佑京(東農大二出身)のランニングホームランは驚愕のタイムを計測!その他の走塁タイムも紹介
周東佑京、砂川リチャードら将来の主力候補が揃う!2017年のホークスのドラフト戦略は成功となるのか?

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】