歴代でも抜き出た元阪神・メッセンジャーの存在感 通算6度の開幕投手は外国人投手最多
阪神タイガースで活躍したメッセンジャー
コロナウィルスの感染拡大を受け、開幕延期が決まったプロ野球。開幕が待ち遠しい日々が続くが、せっかくなので開幕後によりプロ野球を楽しめるデータをお届けしたい。そこで過去5年間の開幕投手を調べ、それぞれの投手成績を比較してみた。今回は昨季セ・リーグ3位の阪神タイガース。
長く阪神の屋台骨を担ったメッセンジャー
2015~2019年の5年間、阪神の開幕戦先発マウンドに上がったのはランディ・メッセンジャーただ一人。彼の主な投手成績は下記のとおり。
5年連続の開幕投手は、球団では2002~2006年の井川慶に並び歴代トップタイ。通算6回も外国人投手としてNPB最多の数字だ。5年間の勝利数は46勝で12球団中5位。個人で見ると菅野智之(巨人)の45勝を抑えてトップの数字だ(菅野は2017年に17勝を挙げているが、開幕投手を逃している)。
勝ち星以外の数字を見ると、投球回の多さが際立っている。2019年以外は規定投球回に達し、170回以上投げた年が3回もり、5年間の平均は約155回。同期間で開幕投手を務めた延べ60人の平均が約145回なのに対し、メッセンジャーが約10回上回っているのだ。
2019年こそ右肩の故障のため14試合、79回で3勝と数字を落としたが、毎年コンスタントにローテーションの頭を守って10勝近くを挙げていたことになる。勝利数に関しては運の要素なども加わってくるが、いかにチームへの貢献度が大きかったか改めて分かる数字だ。
10年もの間、阪神の屋台骨を担ったメッセンジャーだが、昨季限りで現役を退いた。今季は西勇輝が自身2度目、阪神移籍後は初めての開幕投手が予定されている。求められるものは大きいが、2005年以来のセ・リーグ制覇を目指すためにも、ローテーションの頭を守った上でメッセ級の活躍を見せたいところだ。
(記事=林龍也)
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