ちょうど1年前の3月25日の選抜甲子園 津田学園・前佑囲斗の熱投や山梨学院の24得点
選抜甲子園で熱投を見せた前佑囲斗(現オリックス)
コロナウイルス感染拡大の影響で、中止が発表された今年の選抜甲子園。
「選抜ショック」がいまだに癒えぬファンも多いが、今回はちょうど1年前の3月25日の第91回選抜高等学校野球大会を振り返っていく。
2019年3月25日の選抜甲子園は大会3日目を迎え、龍谷大平安(京都)対津田学園(三重)、石岡一(茨城)対盛岡大附(岩手)、札幌第一(北海道)対山梨学院(山梨)の3つのカードが行われた。
まず龍谷大平安と津田学園は、延長11回に及ぶ熱戦となった。
龍谷大平安の先発は左腕の野澤秀伍、そして津田学園は後にオリックスにドラフト4位指名を受ける前佑囲斗がマウンドに立つ。
両投手の好投で、試合は延長戦までもつれる死闘となるが、延長11回に5番・奥村真大がタイムリーツーベースを放って均衡を破ると、続く6番・三尾健太郎も犠牲フライを放って追加点。好投手・前を攻略して、龍谷大平安が2回戦に駒を進めた。
そして2試合も、好投手による投げ合いで延長戦までもつれ込む。
石岡一の好投手・岩本大地と盛岡大附の左腕・阿部秀俊だ。特に岩本は、強打を誇る盛岡大附打線を9回二死まで無失点に抑え、土俵際まで追い込んでいた。
結果的に土壇場で同点に追いつかれ、11回裏にサヨナラを許したが、岩本の名を全国に知らしめる大きな一戦となった。試合は3対2で盛岡大附が勝利し、2回戦進出を決めた。
そして第3試合では、山梨学院打線が猛威を奮った。
チーム1試合最多安打タイとなる24安打を放ち、3本塁打24得点を挙げて札幌第一(北海道)を圧倒。
初回に、いきなり2本の本塁打などで10点を奪うと、その後も着実に加点。8回には主砲の野村健太に、この試合2本目となるソロ本塁打が飛び出すなど最後まで攻撃の手を緩めなかった。山梨学院は24対5で札幌第一を下し、2回戦へ駒を進めた。
津田学園と山梨学院はその後夏の甲子園にも出場し、特に津田学園のエース・前はプロ入りも果たす。好投手、好打者が多く登場した3日目であった。
(記事=栗崎 祐太朗)
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