石川昂弥(東邦出身)、遠藤成(東海大相模出身)が揃ってホームラン。打撃フォームから見る2人の成長
石川昂弥と遠藤成
24日、中日の石川昂弥(東邦出身)と阪神の遠藤成(東海大相模出身)がともにホームランを放った。どちらも真ん中高めに浮いてきたボールをバックスクリーンへ。懐までボールを引き付けてスタンドまで運んで行ったが、高校時代と何が変わったのだろうか。
石川は、スクエアだったのが若干オープンスタンスになったこと。そしてトップを作ったときにバットの高さが顔の高さまで下がり、ヘッドも投手方向への傾きが小さくなった。また背番号や名前がはっきり見えていたU18の時に比べて、ひねりも小さくなっていた。シンプルになったが、よりボールへの対応力を上げてきたことがわかる。
何よりボールを捉えてから押し込んで飛ばしているところが良い。大学生などに木製バットへの対応を取材で聞くと、押し込む感覚を大事にする選手が多い。金属バットよりしなる木製だからこそ、ボールの接地時間が長くなるため、押し込めるかどうかが大事だ。その点を考えれば、石川の木製バットへの対応は順調ではないだろうか。
遠藤は、U18ではバットを体から離して、少しピッチャー方向にバットを傾けていた。しかし24日のホームランはあまり傾けずに最初からバットを体の近くで構えるようになっていた。こちらも小さな反動でボールを飛ばすようになっていたことが伺える。
そして遠藤のホームランは上手くボールの下にバットを入れて、スピンを掛けながらすくい上げるようにバックスクリーンまで運んだ。アマチュアとプロの打球の違いはスピンにある、という話をプロのコーチから聞いたことがある。それを踏まえると、遠藤もプロの世界で戦うための打ち方を身につけてきているのではないだろうか。
佐々木朗希(大船渡出身)が打撃投手で話題となったが、高卒野手も負けない活躍を見せてきている。1人でも早く1軍で活躍する姿を見られるのを楽しみにしたい。
(記事=田中 裕毅)
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