高校生になる「2004年世代」。世代屈指のスラッガー、140キロ右腕、大型捕手、秀才型内野手など多士済々の顔ぶれ
左から山田陽翔、海老根優大、星子天真、伊藤愛都
この4月で高校生になる2004年世代。その中で、スーパー中学生と呼ばれる選手がいる。今回は4名の選手をピックアップして紹介したい。
今年のスーパー中学生で注目度ナンバーワンといえば、海老根優大(京葉ボーイズ)だろう。日本代表の4番に座った強打者。まず181センチ83キロと中学生離れした体格が魅力だ。分厚い下半身で体勢が崩れることなく、腰を鋭く旋回させて、遠くへ飛ばす打撃フォーム。開きを抑えるために、インステップ気味に構えているのが特徴だ。これまでの取材を通しても打撃の無駄を減らし、確実性を高めている。
そして、高校ではスラッガーとしての活躍が期待できそうだ。
2人目は伊藤愛都(草津リトルシニア)だろう。昨夏、全国シニア大会でベスト4。1.9秒台の強肩と強打を誇る全国トップクラスのキャッチャーとして注目されている。目を引いたのは、打撃だ。分厚い下半身は中学生とは思えないぐらい逞しい。打撃フォームを見ても、しっかりと割れができており、低めの球をさばくことができる。
高校でもトップレベルの捕手になれるか注目したい。
3人目は山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)だ。中学3年生ながら、最速142キロを誇る。注目したいのは、前田健太(ツインズ・PL学園出身)のように、足の裏を見せるロッキング動作で投げ込む。ここでフォームに勢いを与え、鋭い腕の振りを生み出しており、中学生離れしたストレートを投げ込むことができている。
4人目は、星子天真(熊本泗水ボーイズ)だ。U-12代表でプレーしていた星子の姿を見たことがあるが、当時から別格だった。身体はすごい大きいわけではないが、遊撃の深い位置からでもダイレクト返球ができて、フルスイングから鋭い打球を連発。そして小学生とは思えない受け答えの良さがあり、知性と実力を兼ね備えたエリート選手だった。中学生になり、プレーの力強さが増した。将来的には小園海斗(報徳学園-広島)、森敬斗(桐蔭学園-横浜DeNA)のような評価を受ける可能性を持った内野手ではないだろうか。
スラッガー、大型捕手、エリート型の内野手、140キロ超えの本格派右腕などが揃った2004年世代。この世代の高校デビューが待ち遠しい。
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