オリックスの先発ローテーションに漆原大晟(新潟明訓出身)ら大卒投手は加わるか?
ローテーション入りへ期待がかかる漆原大晟
昨年のドラフト会議でオリックスが1位で指名し獲得した宮城大弥(興南)が、3月20日に行われた大商大との練習試合に登板した。
プロ入り後初の実践となったこの試合で宮城は1回無失点、三者連続三振を記録する最高のスタート。高卒1年目ということもあり、いきなりの一軍起用はないだろうが、期待感は嫌でも高まってくる。
近年のオリックスは若い投手の躍進が目立つ。山岡泰輔(瀬戸内→東京ガス)に山本由伸(都城)、その他にも榊原翼(浦和学院)や田嶋大樹(佐野日大→JR東日本)らがそうだ。
すでに移籍してしまったが、長きに渡ってチームを支えた現日本ハムの金子弌大(長野商→トヨタ自動車)、現阪神の西勇輝(菰野)も大学を経由していない。
オリックスの投手陣は高卒や高卒社会人の投手たちが中心となっているのである。宮城にも先輩たちと同様の活躍を期待したくなるのは当然だろう。
一方で大卒や大卒社会人の先発投手はほとんどいない。
昨シーズンは日立製作所出身のK-鈴木(千葉明徳→国際武道大)が先発ローテーション入りを果たし、102.1回を投げ4勝をマークしたが、その他で目立った成績を残した選手はいない。2010年代で見ても規定投球回に到達したのは、2015年の東明大貴(富田→桐蔭横浜大→富士重工)と2011年の中山慎也(桐生南→城西大→JR東日本東海)の2人だけしかいないのである。
その他の選手たちの多くは中継ぎとして起用されている。海田智行(賀茂→駒沢大→日本生命)、比嘉幹貴(コザ→国際武道大→日立製作所)、吉田一将(青森山田→日大→JR東日本)山崎福也(日大三→明治大)らがそうだ。
彼らは先発として起用されていた年もあったが、最終的に中継ぎに配置転換されている。
しかし、今年は少し様子が変わりそうだ。K-鈴木に加えて育成から這い上がってきた漆原大晟(新潟明訓→新潟医療福祉大)と張奕 (福岡第一→日本経済大)といった大卒の投手たちが先発で起用される可能性があるからだ。
張は離脱しており開幕に間に合うのかは微妙な状況ではあるものの、漆原は3月14日のオープン戦で先発起用された。3回2失点と満足いく結果とは言い難いものの、第一歩を踏み出した。
高卒や高卒社会人が先発の軸となっていたオリックス。そこにK-鈴木や漆原、そして張が加わっていくことはできるだろうか。
【2020年オリックス投手陣】
※生え抜きのみ
※外国人選手をのぞく
※育成選手をのぞく
<高卒>
宮城大弥(興南)
山本由伸(都城)
前佑囲斗(津田学園)
本田仁海(星槎国際湘南)
齋藤綱記(北照)
山田修義(敦賀気比)
榊原翼(浦和学院)
吉田凌(東海大相模)
鈴木優(雪谷)
<高卒社会人>
山岡泰輔(瀬戸内→東京ガス)
荒西祐大(玉名工→Honda熊本)
富山凌雅(九州国際大付→トヨタ自動車)
田嶋大樹(佐野日大→JR東日本)
<大卒>
山崎福也(日大三→明治大)
村西良太(津名→近大)
澤田圭佑(大阪桐蔭→立教大)
漆原大晟(新潟明訓→新潟医療福祉大)
神戸文也(前橋育英→立正大)
張奕(福岡第一→日本経済大)
<大卒社会人>
吉田一将(青森山田→日大→JR東日本)
近藤大亮(浪速→大商大→パナソニック)
東明大貴(富田→桐蔭横浜大→富士重工)
K-鈴木(千葉明徳→国際武道大→日立製作所)
比嘉幹貴(コザ→国際武道大→日立製作所)
小林慶祐(八千代松陰→東京情報大→日本生命)
海田智行(賀茂→駒沢大→日本生命)
左澤優(横浜隼人→横浜商大→JX-ENEOS)
(記事:勝田聡)
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